星アキラ(南翔太)は、早くに父を亡くして母親とアメリカへ渡ってモトクロスのプロレーサーになるが、母の死をきっかけに帰国する。その理由は、父の事故死の原因となった元スタントマン、大久保豪(髙橋昌志)への復讐の為。叔母の夏目瞳(池上季実子)から「殺さないと約束するなら」と居場所を聞き出し、「俺もスタントマンになってケリをつける」と啖呵を切るが、豪は何も語らず、日本を代表する存在だった頃の面影はなかった。アキラは同じく元スタントマンの藤堂仁(石黒賢)の下でトレーニングを始めるが、得意だったバイクも上手く操れない。藤堂から「事故なく早く走るのがレースだが、カースタントは派手にクラッシュを起こす。生きるか死ぬか。スリルの芸術だ」と諭されて練習を重ねていく―。ある日、車を回転させながら空中へと飛ばして海にダイブする仕事の依頼がアキラに舞い込む。それは、父が事故死したスタントだった…。さらに風雲急を告げる事態が巻き起こる―。
岡山県・美作の緑豊かな山々のふもと。古き良き趣を残す町並みに温泉を携え、お茶処でもあるこの地で、浪人の渓哉(杉野遥亮)は無気力な日々を過ごしていた。一方、家業の茶葉屋「まなか屋」を継いだ兄の淳也は、日本茶の魅力で町を盛り上げようと尽力していた。かつて野球に捧げた情熱は燃え尽き、勉強にも身が入らずにいたある日、ピアニストの里香(松下奈緒)がコンサートツアーでやって来ることを知った渓哉。里香はかつて兄の淳也(山村隆太)が東京での大学時代に交際していた元恋人だった。コンサート会場の客席で渓哉が見守る中、舞台上で倒れてしまった里香。療養を兼ねてしばらく美作に滞在することになった里香を、渓哉は自宅の空き部屋に招待する。突然現れた昔の恋人を冷たく突き放す淳也に、「あなたには迷惑はかけない」と告げる里香。こうして少し風変わりな共同生活が始まった。清らかに流れる川を吹き抜ける風、燃えるような緑の美しい茶畑。自然の優しさに囲まれて曲作りに励む里香に、ほのかな恋心を募らせる渓哉。しかし里香にはどうしてもこの場所に来なければならない理由があった……。
それが関東のやり方かい、大阪極道の根性みせたれや!悪鬼羅刹と化した大阪ヤクザが“代紋の意地”と“極道の道理”を賭け、死に華咲かす仁義なき抗争。「極道は組がすべてや。ヤクザにだけは惚れたらあかん」。“極道の妻たち”の家田荘子の原作を監督和泉聖治がヤクザの激しさと切なさを大胆に演出し、ヤクザ映画の新しい方向性を骨太に描いた渾身の意欲作。