3年間失踪していた夫が突然帰ってきた。だが、夫は「俺、死んだよ」と妻に告げる。そして、夫が過ごした時間をめぐる、夫婦ふたりの旅がはじまった。夫の優介(浅野忠信)がこれまでにお世話になった人々を訪ねて歩くふたり。旅を続けるうちに、妻の瑞希(深津絵里)と優介はそれまで知らずにいた秘密にも触れることになる。お互いへの深い愛を、「一緒にいたい」という純粋な気持ちを感じ合うふたり。だが、瑞希が優介を見送る時は刻一刻と近づいていた--。
和歌山市の商店街で美容室を営む直人。妻の京子は美容室の2階で書道教室をしていた。教室に通う7歳のサキは問題児だったが、直人との間に子どもがいなかった京子は、サキを自分の娘のように可愛がっていた。10年後、直人のもとに一本の電話が入る。それは10年前の「ある事件」以来、会っていなかったサキからの電話だった。彼女は視力を完全に失い、直人も妻・京子を5年前に亡くしていた。サキの思いを知った直人はある決意をする。