矢吹、片岡、谷川の三人は、名門高校のサッカー部員である。東京都予戦準々決勝、気合が入る三人。谷川の妹、有子とその友達、坂口理恵が応援に来ていたからだ。谷川は理恵のこと、矢吹、片岡の二人は有子のことを好きなのだ。試合はなんとか勝ったがミスが続いた谷川は控えの選手と交代させられた。数日後、矢吹と片岡の根回しで理恵とデートをした谷川は彼女から友情以上の感情はないと言われショックを受ける。その日、谷川は風邪で練習を休んでおり、運悪くデートをマネージャーの久保に見つかってしまう。そして、翌日の練習で猛烈な特訓を受けた谷川は、急性胃潰瘍で倒れ、息をひきとった。谷川の死を契機に、サッカー部のあり方をめぐり対立する矢吹と片岡。矢吹は不良グループとの付き合うようになりサッカーとも距離を置くようになる。決勝戦の日はまもなくだが・・・。
男と女の二つの性器を持って生まれた少年。やがて彼は男性器を失い、女性へと変わっていく……。『樹の上の草魚』は、この不思議な運命を背負って生まれてきた少年と、彼に魅かれていく青年の、可笑しくも奇妙で、そして静かな愛の物語である。男と女の二つの性器を持つ少年・比呂司と、性的不能の青年・亘。静かに友情をはぐくむ二人だったが、やがて比呂司の男性器は離脱し、美しい女へと生まれ変わっていく。男の心、女の心の間で、戸惑い、拒絶しながらも、比呂司を受け入れていく亘。二人の友情がゆっくりと〈純愛〉に移り変わってゆく様が、静かな音楽、緑の光溢れる映像で綴られ、見るものを優しく包みこんでいく。
山吹摩耶が突然、故郷の函館に帰ってきた。東京でどう稼いだのか莫大な財を築いている。高校卒業以来何も変わっていない街で、久々に高校の同級生たちと再会する摩耶。そして彼らの「夢」や「希望」の実現のために、次々に「わたし、出すわ。」と自分のお金を差し出していく。友人たちは戸惑いながらも、ついそのお金を受け取ってしまうのだった。果たして摩耶の資金の出所は? 彼女の目的とは?そして大金を受け取った友人たちの夢の行く末は・・・?「わたし出すわ」のその先に、それぞれの未来が見えてくる。
人畜無害・温厚な鶴丸杉夫は、冷酷非道・極道を絵にかいたようなもう1人の自分、松夫に引きづられて、暴力団事務所に出入りすることに。しかしそれぞれの人格が現れている時の記憶は共有することが出来ない。気の弱い杉夫は、ニ重人格という病気を知りながらも組においてくれる渡会のために、シノギをこなしていこうと努力する。ある日、杉夫の所属する丹義会が美人演歌歌手・高いずみのショーを仕切ることになった。敵対する岩動組が妨害を仕掛けてくる中、いずみの身辺警護にあたった杉夫は、やがていずみと恋に落ちる。だが、いづみを抱くのはいつも松夫――。果たして、いづみは杉夫と松夫、どちらの自分を愛してくれているのだろうか……。
池島組に潜入捜査中、汚職の嫌疑をかけられ殺された麻薬Gメン土屋満(永島敏行)の妻・名美(夏川結衣)は、葬儀の日、押しかけて来た組員たちにレイプされてしまう。絶望のあまり自殺を図るが一命を取りとめた名美は、池島組会長・池島政信(寺田農)を地下駐車場で刺そうとして男に制止される。男は池島組幹部の村木哲郎(根津甚八)だった。名美はクラブのホステスとして池島に近づき、復讐を果たそうとするが…
大学卒業後、大阪・堺市で銀行マンとして働く山田良一(平岡祐太)にある日、故郷の金沢でれんこん農家を営む母から「父親が脳梗塞で倒れた」と電話が入る。父・竹市(綿引勝彦)が倒れたことにより、畑を引き継ぐか売却か二択を迫られる良一。結婚を考えている恋人、凛(大久保麻梨子)のこともあり、なかなか決断できない。戸惑いながらも父に代わって畑へと向かう良一の姿に、不安と苛立ちを募らせる凜。一方、農林水産省かられんこん農家の視察として神野恵子(栗山千明)が金沢へとやって来るのだった。
主演・哀川翔。平成の『仁義なき戦い』と評され大ヒットした本格極道映画シリーズの傑作『修羅がゆく』第7弾!やり方を選ばない男、四国制圧に乗り出す!利権に目のくらんだ伊能の火種によって、九州・広島の本郷シンパも動き出し四国は抗争の舞台と化した!