ユウタとコウは幼馴染で大親友。いつもの仲間たちと音楽や悪ふざけに興じる日々を過ごしている。高校卒業間近のある晩、こっそり忍び込んだ学校で2人はとんでもないいたずらを仕掛ける。翌日いたずらを発見した校長は激昂し、学校に四六時中生徒を監視するAIシステムを導入する騒ぎにまで発展。この出来事をきっかけに、コウは、それまで蓄積していた、自身のアイデンティティと社会に対する違和感について深く考えるようになる。その一方で、今までと変わらず仲間と楽しいことだけをしていたいユウタ。2人の関係は次第にぎくしゃくしはじめ...。
世界をガランスに塗りつぶせ!大正時代の画家・村山槐多の「尿する裸僧」という絵画に魅入られた法月薊(のりづき・あざみ)が、街頭で道行く人々に「村山槐多を知っていますか?」とインタビューしていると、「私がカイタだ」と答える謎の男に出会う。その男、槌宮朔(つちみや・さく)は、特殊な音域を聴き取る力があり、ある日、過去から村山槐多が語り掛ける声を聴き、度重なる槐多の声に神経を侵食された彼は、自らが槐多だと思いこむようになっていたのだった。朔が加工する音は、朔と同様に特殊な能力を持つ者にしか聴きとれないものだが、それぞれ予知能力、透視能力、念写能力、念動力を有する若者4人のパフォーマンス集団がそれに感応。彼らは、その能力ゆえに家族や世間から異分子扱いされ、ある研究施設で”普通”に近づくよう実験台にされていたが、施設を脱走して、街頭でパフォーマンスを繰り広げていた。研究所の職員である亜納芯(あのう・しん)は、彼らの一部始終を観察していた。朔がノイズを発信する改造車を作った廃車工場の男・式部鋭(しきぶ・さとし)は、自分を実験材料にした父親を殺そうとした朔の怒りを閉じ込めるために朔のデスマスクを作っていた。薊は、それは何故か村山槐多に似ていたと知り…
横浜・黄金町にある横浜日劇の二階に事務所を構えるお人好しな探偵、濱マイクは、幼い時に自分と妹の茜を捨てたストリッパーの母親のリリーが、黄金町に戻ってきているという噂を聞く。一方、黄金町では「川」の利権をめぐる諍いが起こっており、その裏には「白い男」と呼ばれる謎の男が暗躍していた。警察でさえ手出しが出来ないその男の正体は一体誰なのか。
横浜黄金町にある映画館、横浜日劇の2階に探偵事務所を構える濱マイクは、台湾人の友人、楊から行方不明の兄を探して欲しいと頼まれる。相棒の星野と共に調査を進める中、その背景に台湾マフィアとアジア系外国人で構成されている黒狗会の抗争が絡んでいることを突き止める。妹と二人で暮らすマイクは、楊の境遇を他人事と思えず、周囲の反対を押し切り調査を続けるが、そんなマイクの身に危険が忍び寄る。
愛すべきサッカークラブ、ビックカイト相模原でホペイロを務める「僕」こと坂上栄作には、チームに関する奇妙な出来事が次々と起こる。その度にクラブのみんなは本来の仕事に追われる僕に、その解決を押し付けてくる。スポンサーの援助金が半分に!広報用のポスターが何者かに盗まれる!J2昇格をかけた決戦の前に振り回される坂上は無事チームを試合に勝たせることができるのか?
京都嵐山・天龍寺。世界遺産にも登録されているこの名刹に、一風変わった禅僧がいた。名はヘンリ・ミトワ。1918年、横浜でアメリカ人の父と新橋の芸者だった母の間に生まれた日系アメリカ人である。1940年、単身渡米。戦時中は敵性外国人として、日系人強制収容所で過ごした。戦後、ロサンゼルスで幸せな家庭を築き、1961年、帰国。時代の波に奔走されながらも、日本文化をこよなく愛し、茶道・陶芸・文筆にも優れた才能を発揮したヘンリは、古都の多彩な文化人や財界人に囲まれ、悠々自適の晩年を楽しむ…はずだった。「“赤い靴”をモチーフにした映画を作りたい!」、80歳を目前に突如、追い求めた夢によって、家族や周辺の人々を巻き込み、彼が築き上げてきた“青い目の文化人”という地位から大きく逸脱していく…。
東北地方の田舎で育った中学3年生の葉子(西川可奈子)は、メガネに化粧っ気のない素朴な女の子。厳格な父(友川カズキ)と、女々しく意地悪な母(美保純)と、優しいがどこか他人事の様に接する祖母(白川和子)と、小さな弟と妹に囲まれて平凡に暮らしていた。あの日までは・・・。年末、若い男達に無理やり輪姦されたのだった。元旦に全身傷だらけで帰宅した葉子を待ち受けていたのは、冷たく突き放す家族と親戚だけだった。ひょんなことからレイプ犯の一人である若者の養父・早田(隆大介)と出会い、援助交際という名の契約を交わす。援助交際でコツコツと大金を稼ぐ葉子。一刻も早くこの地獄から自力で抜け出すために。そしていつか、あの男達に復讐するために・・・。そして高校卒業後、大都会東京へ。すぐさま全身整形し復讐への一歩を踏み出す葉子であった・・・。
13歳の少年・江美留(えみる)と友人たちは、自分たちの将来を夢みていた。ある少年は科学者を夢みて、またある少年は詩人を夢み、そして哲学者を夢みる少年たちのなかで、江美留だけは自分の将来がはっきりと分からなかった。ある日、少年たちの一人が突然自殺してしまう。その死を悼んだ少年たちは、丘の上にある天文台へと出かけていく。そして大きな望遠鏡を覗く天文学士に「そこから何が見えるのですか?」と尋ねてみる。天文学士のおじいさんは、少年たちにこう尋ね返す。「教えてくれないか、僕たちは何処からきて、何処にいくのかを?」と。その答えを探そうとする少年たちの心は、いつしか宇宙をみている。そんななか、江美留は一冊の本のなかに、彌勒(みろく)の写真をみつける。そこには「五十六億七千万年後に、人類全てを救済するもの」と書かれていた。 江美留は、その閃きとともに、小説家になることを夢み、そして決断する…。
帝都・東京は、約1千年前、関東に独立国を築こうとして望み果たせず。謀反人として討伐された平将門が、深い恨みを抱えて眠っている日本最大の霊場である。明治45年、日本を代表する実業家・渋沢栄一は、魔術を操り日本の吉凶を占ってきた土御門家の陰陽師・平井保昌や物理学者・寺田寅彦らを集め、帝都・東京を軍事的のみならず霊的にも守護するための<東京改造計画>を秘密裡に進めていた。しかし、その計画の前に立ちふさがった者がいた。サイキック・パワーを自在に操る、謎の魔人・加藤保憲である。彼は、式神や護法童子、巨大な阿修羅など魑魅魍魎を使って、帝都・東京の破滅を企む。
恋人がいながらも、自分を慕う女生徒と関係を持つ女子高教師サラはどこか満たされない日々を送っていた。そんなある日、幼いころに離別した父親が暴行事件に巻き込まれたと警察から連絡が入る。唯一の身寄りであるサラは、負傷し入院中の父親の身の回りの世話のために自宅を訪れる。すると、そこにいたのは監禁され、充と性的な関係を持つ少年・望人であった!
地球に優しい世界征服を企む秘密結社・鷹の爪団。戦闘主任の吉田くんの実家・島根でおみくじをひいたが全員「凶」で頭を抱える団員たち。一方、地球から遠く離れた機械生命体の惑星ゴゴゴは悪のネマール帝国に侵攻されていた。命からがら脱出したのはさえない中年男オキテマス・スマイルと娘のヨルニー。彼らの手に握られているのは伝説の救世主の居場所だった。予言に語られるその救世主は「青く輝く星に住む一人の尖がった耳の男」。そう、彼らが向かった先は、鷹の爪団の秘密基地だった…。
殺し屋稼家に疲れ果てた初老の男は、不動産屋に飛び込み、女係員に部屋探しを頼む。数々の殺してきた亡霊たちに追われるようにして、男は死に場所を求め、係員とともに部屋から部屋へと巡り歩いていく。部屋探しの二日目、男は係員に案内され、遂に理想の、窓から見える眺めだけが唯一の取り柄の部屋に行き着く。そこが男の死に場所だった。彼は拳銃の引き金を引き、椅子に座ったまま息絶えるのだった。
2010年6月13日、日本から打ち上げられた小惑星探査機<はやぶさ>が、いくつもの絶体絶命のピンチを乗り越えて、地球に帰って来た。月以外の天体からサンプルを採取して持ち帰るという、NASAでさえ成し得なかったミッションを果たすために―。わずか1~2メートル四方の小さな<はやぶさ>の7年間・60億キロに及ぶ旅を支えたのは、ユニークな経歴を持つメンバーで構成されたプロジェクトチームだった。プレッシャーと次々と降りかかるトラブルに、心を一つにして立ち向かうチームのメンバーたち。不屈の魂を持つ彼らに心をわし掴みされた日本の映画人とハリウッドのスタジオが強力タッグを組み、プロジェクトチームの闘いの日々を追いかけた、感動のエンタテインメント!
人気プロレス団体「ZERO」の看板レスラー・獅子王は、愛する妻・麻美のために念願の一軒家を建て、義妹の那美、TV局プロデューサーの山路らを招いて新築披露パーティーを開いていた。だがそこに因縁のライバル・一条が現れたため、祝いの席が修羅場と化すことに。壮絶な乱闘劇の末、夢のマイホームは爆発炎上。しかも爆発の際の火傷がもとで、麻美は謎の奇病に冒されてしまうのだった。妻の病気を直し、マイホームを再建するため、獅子王は“合法的殺人団体”の異名を取る「DDD」とのデスマッチに挑むことになるが・・・。
第一話「かぐや姫」男はある夜、立ち寄った神社で光に包まれた美しい女性に出会う。そして共に生活するうちに身も心も彼女に溺れていく。しかし、二人の間には千年以上も前の打ち消すことの出来ない過去があった。 第二話「床屋」男は、失踪した妻からの手紙を頼りに、うらぶれた漁村の床屋にやって来た。そこには主人が一人、「何も知らない・・・・・」と言う。男はとりあえず無精髭を剃ってもらうことにする。そして男は、剃刀の研ぎ音に導かれ、誰のものとも判らない記憶の白日夢を見ていた。 第三話「受胎告知」郊外のマンションに住む主婦の一日は、次々に訪れるセールスや勧誘のせいでゆっくりもしていられない。おまけに不妊で悩んでいるのに避妊具のセールスまで来る始末。ようやく途切れたかと思った矢先、今度は宇宙からの訪問者が・・・・・!
釣りに出かけ、偶然男女の争いに巻き込まれ、衝動的に殺人を犯しまう老人たち。花見で偶然の出会いから殺し合いにまで発展してしまう男女の惨劇を凝視する初老の男。戦後間もない頃のバラックで暴れる無頼漢サブの愛と別れ。行きどころのない老人の彷徨。バス事故に運命を翻弄される被害者遺族たちの顛末。これらが複雑に絡み合い、やがて……
やがて儚き愛の血潮―。 不倫相手の夫を殺害し、警察に追われる身となった三流ホストの文也(大沢樹生)は、逃亡中に怪我を負い、山奥にある民家に逃げ込む。そこで不思議な少女・明子(伊東美華)と出会うが、明子は文也を警察に突き出すどころか庇い介抱までするのであった・・・。その家の主人・真一(佐野史郎)が長距離トラックの仕事から帰ってきても、明子は文也を天井部屋へと隠して匿ってくれる。そんな明子に次第に惹かれていく文也。しかし、再び真一が仕事に出かけるまで、天井部屋から二人の奇妙な生活を覗くうちに、明子が真一に監禁されていた事実を知ると、次第に真一に対して殺意をいだくようになる・・・。