1968年メキシコオリンピックで銅メダルを獲得したボクサー・森岡栄治(武田真治)。その後プロに転向したが、1975年網膜剥離によって引退を余儀なくされる。妻・和江(紺野まひる)との間に治子(藤本七海)と和則をもうけていたが、仕事も続かず、和江がスナックで働いて生活を支えていた。ダメな父親の姿しか知らないの治子は、バレエのレッスンを心のよりどころにしていた。栄治は用心棒をした縁で、ヤクザの親分が世話してくれたボクシングジムの会長をつとめることになる。しかし栄治の兄・忠利(山崎邦正)が金の無心に来たり、和江が店の客に送ってもらうのを目にした栄治が相手を殴ったりと、生活は良くならない。そんな日々に嫌気がさした和江は、子供たちを置いて家出してしまう。その数日後、治子が拾ってきた猫のハシゾウが死ぬ。そのとき治子は、初めて栄治の涙を見る。それから栄治の愛人になったホステスの裕子(広末涼子)が、一緒に暮らし始める。借金まみれだった忠利から株券を預かった栄治は、偽造有価証券発行、詐欺未遂の容疑者として逮捕される。証拠不十分で釈放されるが、父や裕子と子供たちの間には、微妙な変化が訪れる。昭和天皇の崩御した日に治子の祖父も他界し、時代は昭和から平成へ移り変わる。栄治は和則と共にジムでボクサーを育て、日本チャンピオンを輩出。治子は子供のころからの夢だったバレエ教室の先生になった。そんなある日、治子の元に、栄治がガンであるという知らせが入る……。
春――。新任栄養士の野々村菜々は、退任するベテラン栄養士の立山から給食のイロハを引き継ぐ。予算の問題や子どものアレルギーの問題・宗教上の問題、様々な問題に対処しながら、子どもたちに“美味しい給食”を食べてもらおうと奮闘する菜々。新学期が始まり、子どもたちからの反応は“美味しかった”から“味が変わった・落ちた・・・”など芳しくない。ショックを受ける菜々を他の栄養士や調理士達から「よくある事で子ども達の気のせいだ・・・」と慰められるも、何とか子どもたちに喜んでもらいたいと、直接子ども達に給食の感想を聞いてみる。そして菜々は、例え子どもの苦手な食材があっても、素材の味を生かした、それぞれに合ったメニューを心がけなければ、と決意する。果たして菜々は、子どもたちに受け入れてもらえる給食を作ることができるのだろうか……。やがて1年が過ぎ、菜々にとって初めての卒業式がやってくる。子ども達が菜々をはじめとする給食の先生達に伝える思いとは……。
舞台は大阪新世界。かつてヤクザの組を潰して廻っていた村上勝太郎(通称・勝吉=赤井英和)は、自身のボクシングジムを営んでいたが、練習生がジムで覚醒剤取引きをし逮捕されたことでジムを畳む。その後、元犯罪者の更生プロジェクトを運営している幼馴染み・沢村源蔵の経営する串カツ屋で働き出す。ある日、勝吉は慰問に誘われて訪れた刑務所で、かつて、共にヤクザを潰して廻った弟分・神木雄司(通称・コオロギ=上西雄大)と再会する。コオロギは悪い女に引っかかり、覚醒剤所持で服役していたが間もなく沢村の協力で出所し、勝吉と共に串カツ屋で働き出す。勝吉はある日、少年・徳永武が、逃げ出した宗教団体に捕まるところに居合わせ、武を助けるが、武は洗脳されており、また、母親が入信し、父親と別居させられたショックから、口がきけなくなっていた。失読症で文字が読めないコオロギは、筆談で会話をしようとする武が書く文字が読めず、悔しい想いをする。また、その宗教団体には、かつて勝吉にボクシングと“Never give up(ねばぎば)”という言葉を教えた恩師・須賀田元(西岡徳馬)の娘・琴音(有森也実)も入信していた。武と恩師の娘を助ける為、見返りを求めない人情の男・勝吉とコオロギは再びコンビで立ち上がる。
騙しだまされの化かしあい。骨董ディーラーを生業とする佐保(駿河太郎)は、相棒の涼香(小芝風花)と共に、とある山あいにある蔵屋敷を訪れる。家主の留守中、老婆が一人でいたところを大阪民具研究会なる初出し屋に狙われ、亡き亭主が大事にしていた茶釜をだまし取られてしまったという。その茶釜は芦屋釜といい、元禄享保のころからの天下の名物で、本物なら価値は500万円を下らない!何も知らない老婆をだまし討ちにした、初出し屋のやりくちに激怒した佐保と涼香は、上司の菊池(赤井英和)も交えて茶釜の奪還を計画。しかし茶釜はすでに売り捌かれ、思いもかけず奪還不可能な状況に…。そこで、贋作の掛け軸を初出し屋に真筆として売りつけ、茶釜の価値以上の金額をだまし取ることを思いつく。果たして、騙しだまされの化かしあいに、佐保は勝てるのか?!
銀次郎はなじみのミナミの和菓子屋の主人・植村から借金を申し込まれる。さまざまなトラブルが起こり、店が苦境にあるという。店がある一帯はショッピングセンター建設の話が持ち上がっていた。地上げを行っている藪田は、商店主たちを助けるふりをして、実は政治家の小笠原とミナミの街から彼らを追い出す計画を進めていた。複雑怪奇な事件に銀次郎はどう立ち向かうのか!?