30歳の自称売れっ子CMディレクター・砂田(夏帆)は、東京で日々仕事に明け暮れながらも満ち足りた日々を送っている…ように見えるが、口をひらけば悪態をつき心は荒みきっている。ある日、病気の祖母を見舞うため、砂田の嫌いな故郷に帰ることに。ついて来たのは、砂田が困った時には必ず現れる、自由で天真爛漫な秘密の友だち・清浦(シム・ウンギョン)。しかし、再会した家族の前では、都内で身に着けた砂田の理論武装は通用しない…やがて全てを剥がされた時、見ようとしなかった本当の自分が顔を出す―。そして、一日と始まりと終わりの間に一瞬だけおとずれる“ブルーアワー”が終わる時、清浦との別れが迫っていた…。
横浜黄金町にある映画館、横浜日劇の2階に探偵事務所を構える濱マイクは、台湾人の友人、楊から行方不明の兄を探して欲しいと頼まれる。相棒の星野と共に調査を進める中、その背景に台湾マフィアとアジア系外国人で構成されている黒狗会の抗争が絡んでいることを突き止める。妹と二人で暮らすマイクは、楊の境遇を他人事と思えず、周囲の反対を押し切り調査を続けるが、そんなマイクの身に危険が忍び寄る。
その冬、海炭市では、造船所が縮小し、解雇されたふたりの兄妹が、なけなしの小銭を握りしめて、初日の出を見に、山に昇ったのです…。プラネタリウムを動かしている男は、妻の裏切りに傷つき、燃料屋の若社長は、苛立ちを抑え切れず、父と折り合いの悪い息子は、帰郷しても父に会おうともせず、立ち退きを迫られた老婆の猫は、有る日姿を消したのです…。
ケイン・マディソンはロサンゼルスで建築家としての日常を送る一方で、心に潜むもう一人の自分は、浪人として悪の武将が支配するサムライの世界を彷徨っていた。様々な現実世界でおこる不運に絶望したケインは、心の拠り所を探す旅に出る。現実世界、そして心の世界、それぞれの戦いの先には一体、何があるのか。
親が始めた金物屋を引き継いだ清は、美しい妻・伸子(南果歩)との間に2人の息子も生まれ、念願のマイホームを建てた。思い描いた理想の家庭を作れたはずだった。しかし、清の思いの強さは、気づかぬうちに家族を抑圧的に支配するようになる。長男・保(新井浩文)は、子供のころから従順でよくできた子供だったが、対人関係に悩み、会社からのリストラを誰にも言い出せずにいた。堪え性がなく、アルバイトも長続きしない次男・稔(若葉竜也)は、ことあるごとに清にそれを責められ、理不尽な思いを募らせている。清に言動を抑圧され、思考停止のまま過ごしていた妻の伸子は、ある日、清への不満が爆発してしまい、稔を連れて家出する。そして、迎えた家族の修羅場・・・。葛城家は一気に崩壊へと向かっていく。
昭和20年。帝都・東京は連日の空襲で地獄と化し、満ち溢れた怨念によって、帝都に眠る怨霊たちの化身・加藤保憲が蘇えった。日本の霊的指導者とも言える高僧・観阿彌光凰は、瀕死の日本を奇跡の逆転勝利へと導くべく、驚くべき秘密計画を準備していた。 しかし、帝都の破壊を企む魔神・加藤がその前に立ちはだかる。軍隊を敵ともしない加藤に、霊能力を持つ青年・中村雄昴と、東京の守護神=平将門の末裔・辰宮雪子の二人が、命を賭けて闘いを挑んでいく。
宝塚~西宮北口間を約15分で走る、えんじ色の車体にレトロな内装の、阪急今津線。その電車に、さまざまな「愛」に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら偶然乗り合わせただけの乗客たちがいた。電車内という限られた空間で、それぞれの人生がほんのちょっと重なり合い、影響し合い、そして離れていく--。数々の出会いが重なり、そこに生まれる小さな愛の奇跡。勇気を持って踏み出せば、いつもとは違う景色が、人生が、そして素敵な出会いが“あなた”を待っている。