現在ではない、もう一つの現在。ここは渋谷区神南エリア。知力の低下を憂いた文部科学省は“クロス制度(14歳から35歳までを対象に、制限時間3分の間にクロスワードパズルを解かせる)”によって市民を抜き打ちで選別していた。引きこもりで読物依存症の青年・風間絋平と、移動式ナースの兄妹・ジョーとサツコは、絋平の膨大な知識量を活かしてクロス解答の代行業を始める。たちまち街のヒーローにまつり上げられた彼に文部科学省の追っ手が忍び寄る・・・。
彼と出会ったあの日を、私は今も生きている!!愛してはいけない、忘れたいのに忘れられない、二十年越しの片思い。切ない大人の純愛を再び-----幼い頃から想い続ける男性は、妹の夫・・・。渡辺淳一の傑作短編小説が遂に映画化。十七歳の夏、渡した壺を持つ手が触れ合い、朋代(小島可奈子)は雄介(いしだ壱成)に恋をする。そんな朋代の気持ちを知らないまま大人になった雄介は、朋代の妹、愁子(佐藤藍子)と結ばれる。彼への想いを封印した朋代だったが、愁子は乳がんに侵され、若くしてこの世を去ってしまう。愛する妻の遺言通り、雄介は愁子の遺骨から美しい壺を作り上げ、いつもそばに置いていた。落ち込む雄介の支えになりたい朋代だったが、亡き妹の壺の傷が涙に見え、罪の意識を感じてしまう・・・。