春、深い山間の自然に囲まれた湖に浮かぶ小さな寺。幼子と老僧が静かに暮らしていた。無邪気な幼子は、いたずら心から小さな生き物を殺めてしまう…。夏、幼子は17歳に成長し、寺に養生にやってきた同い年の少女に恋をする…。秋、寺を出奔した男が十数年ぶりに帰ってくる。冬、中年となり、再び寺に戻ってきた男。そこに老僧の姿はもうない。男は荒廃した寺でひとり心身の鍛練に励む…。季節は移ろい、再び春がめぐってくる…。
ソウルの売春婦村が撤去され、ジナは、ポハン(浦項)のセジャン(鳥篭)旅人宿にやってくる。そこには、父、母、ジナと同い年の女子大生ヘミ、高校生ヒョンウの家族が暮らしている。夜ごとお客さんと部屋に入る女と、女子大生として幸福に生きている女の葛藤が始まる。からだを売るジナを軽蔑し、性に対して率直でないヘミがジナに対して感じる微妙な心理。ジナは、ヘミのボーイフレンドのジノと関係を持ち、また父とヒョンウもジナと関係を持つようになって青い門の中の葛藤は高まる。
ある少女が、私をじろじろのぞいて見る。私より絵を上手に描くという。しばらく聞いてみない言葉だ。少女が、私にいいものをあげると私を誘惑する。だが、少女について行った場所には、生まれて初め見る暴悪な男がいた。怒りでひどく充血した彼の目で、私の姿を見た。なぜそんなに情けなく生きているのかと、彼が私を追及する。暴悪な男がささやく。今でも遅くないよ。私の絵を破ってしまった女、浮気をしても横着に花のように派手な私の恋人、私の絵を侮辱しながら私を利用したカメラマン、蛇のように気味が悪い奴、私の恋人を奪って古いマンガ本のようにした奴。血液がついた手で肉をこねくりまわす私の戦友、私をあの肉の塊のように扱ったのは忘れたようだ。どうしてこんなことができるのか。私はこんなに腹が立つのに、私がなぜ腹を立てるのか誰も知らないということなのか。絵のように私を待っているやさしく慎ましい日常、私は今見ることができるようだ。その穏やかな日常からまっさかさまに墜落する衝動。その瞬間、狂暴な悲鳴が聞こえてくる。おとなしい隣人。彼も胸の中に荒っぽい蛇一匹を育てているようだ。
ソウルの市場で女子高生ミンジュが男たちによって殺害される。しかし事件は誰にも知られることなく闇に葬られてしまう。1年が経ち、7人の容疑者のうちの1人が謎の武装集団に拉致される。その後も武装集団は容疑者たちを次々と拉致しては拷問をして自白を強要する。やがて容疑者たちの証言により事件の裏に潜んでいた闇が浮かび上がってくるのだった――。
父・母・息子の3人が暮らす上流家庭。家族としての関係は冷え切っていた。ある日、近くに住む女との不貞に気づき、嫉妬に狂った妻は、夫の性器を切り取ろうとする。しかし、あえなく失敗し、矛先を息子へと向ける。凶行に出た後、妻は家を出ていき、夫と息子はとり残される。性器を切り取られてしまった息子は、絶頂に達することができずに生きていくのか。なくしたことで虐められ、生きる自身をもなくした息子。罪悪感に苛まれる中、父は絶頂に達することができる”ある方法”を発見する。それを息子に教えることで、再び父子の関係を築いていく。だが、そこに家を出ていた妻が戻り、家族はさらなる破滅への道をたどり始めるー。
オ・ヨン(イ・ジュン)は一流映画スターを夢見る無名の俳優。ある日、とある映画への出演をキッカケに一夜にして脚光を浴びることになる。これまで無縁だった名声と権力、快感を得たヨンであったが、そこに潜む闇に否応なく引きずり込まれていく。有名人となった彼は華やかな世界で好き勝手に振る舞い、評判は急落。そこで初めて、ヨンは自分の危機的状況に気づき始め…