生まれも育ちも栃木の女・あいこ(谷村美月)が東京から寝過ごした女・里江(徳永えり)と新栃木駅で出逢い、地元の居酒屋に。そこで里江が目にしたのは、あいこの幼なじみの鉄雄(倉田大輔)と、見慣れない『しもつかれ』という食べ物。次の日、あいこと鉄雄は、里江に蔵の街を案内をする事になる。懐かしく新しい栃木・蔵の街の魅力に引き込まれていく里江は、あいこの鉄雄に対する気持ちに気づく。その近すぎる2人の想いは、遠い記憶の中にあるのだった・・・。
その冬、海炭市では、造船所が縮小し、解雇されたふたりの兄妹が、なけなしの小銭を握りしめて、初日の出を見に、山に昇ったのです…。プラネタリウムを動かしている男は、妻の裏切りに傷つき、燃料屋の若社長は、苛立ちを抑え切れず、父と折り合いの悪い息子は、帰郷しても父に会おうともせず、立ち退きを迫られた老婆の猫は、有る日姿を消したのです…。
宝塚~西宮北口間を約15分で走る、えんじ色の車体にレトロな内装の、阪急今津線。その電車に、さまざまな「愛」に悩み、やりきれない気持ちを抱えながら偶然乗り合わせただけの乗客たちがいた。電車内という限られた空間で、それぞれの人生がほんのちょっと重なり合い、影響し合い、そして離れていく--。数々の出会いが重なり、そこに生まれる小さな愛の奇跡。勇気を持って踏み出せば、いつもとは違う景色が、人生が、そして素敵な出会いが“あなた”を待っている。
夜ふかしのあなたにゾクッとする話を― 家電メーカーのコールセンターに勤めるひかりは、製品には関係なく罵詈雑言を浴びせるような酷いクレーマーにも、ひたすら謝り続けるような地味で真面目な社員。しかし上司との不倫という秘密を抱えていた。その日も後輩に頼まれ、頻繁に電話してくる中年女性、宮脇和世からのクレーム対応に疲れ果てて帰宅すると、ふと隣の部屋の表札が“宮脇和世”である事に気付く・・・。