★420年もの間、伝統と技術を継いできた“朝鮮陶工”たち 師匠と弟子でもある、親と子の<継承>の物語、そして次代への想い 遡ること420年前、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に、主に西日本の大名たちは朝鮮人陶工を日本に連れ帰った。薩摩焼、萩焼、上野焼などは朝鮮をルーツに持ち、今もなお伝統を受け継いでいる。薩摩では、島津家が彼らを庇護をした。その中に沈壽官家の初代となる沈当吉がいた。以来、沈壽官家は多彩な陶技を尽くした名品の数々を世に送り出し、世界中に“SATSUMA”の名が広がった。幼少期に経験した偏見や差別の中で、日本人の定義と自身のアイデンティティに悩んだ十五代沈壽官を救った司馬遼太郎の言葉。その十五代沈壽官が修行時代を過ごした韓国・利川にあるキムチ甕工房の家族は、十五代から学んだ伝統を守る意義を語る。沈壽官家の薩摩焼四百年祭への願い。そして、十二代渡仁が父から受け継いだ果たすべき使命。十五代坂倉新兵衛が語る父との記憶と次の世代への想いとは―。朝鮮をルーツに持つ陶工たち、その周囲の人々の話が交差し、いま見つめ直すべき日本と韓国の陶芸文化の交わりの歴史、そして伝統の継承とは何かが浮かび上がる。
オリンピック誘致の候補地として挙げられ、それに伴い撤去される方向で検討が進められていた大阪・通天閣。起死回生をねらい経営陣が倉庫から取り出したのはかつての人気者・ビリケン像。像と共に眠りから覚めた神様が東奔西走してもたらすご利益が評判となり、かつての勢いを取り戻した通天閣だったが、些細なことから肝心の神様は通天閣から追い出されて一転流浪の身に。超能力を失った神様は小学生・清太郎や心優しい学童保育の月乃先生と出会い、ビリケン像のもとに戻ろうとするが・・・。
売れない演歌歌手・赤城麗子(室井滋)は“NHKのど自慢”出場を機に歌手としての自信を取り戻した。持ち歌「おしどり涙」が少しは売れて気を良くした赤城と須貝マネージャー(尾藤イサオ)のふたりは新たに雇った付き人・高橋里美(竹内結子)を連れ、新曲の営業と慰安旅行を兼ねてハワイにやってきた。仕事といっても一晩だけ女子プロレスの前座で歌うだけ。あとはビーチに、買い物に、とリゾート気分でやって来たのだが・・・・・・。
年がら年中旅回りの売れない演歌歌手・赤城麗子。訪れた次の営業先は、麗子の故郷・群馬県桐生市だった。しかし、久しぶりの故郷はいつもと雰囲気が違っていた。それもその筈、町に「NHKのど自慢」がやってくるのだ!父の店で予選出場ハガキを偶然手に入れた麗子は、大勢のお客の前で歌ってみたいという願望から密かに予選に出場する。予選会場に集まったのは何をやってもうまくいかない中年男、歌手を夢見る女子高生、遠くに引っ越してしまう孫を励ましたい老人・・・そして訪れた本番の日、出場者たちはいろんな想いを胸にマイクを握る・・・。
昭和40年、エネルギー革命により閉鎖が迫る炭鉱のまち。そこでは北国をハワイに変えようという起死回生のプロジェクトが持ち上がっていた。目玉となるのはフラダンスショー。誰もが見たことがなかったフラダンスを炭鉱娘に教えるため、東京からダンサー平山まどかが教師としてやってきた。旬を過ぎ、しがらみを抱えるが故に、最初は嫌々ながら教えるまどかだったが、生きるためにひたむきに踊る少女たちの姿に、いつしか忘れてかけていた情熱を思い出してゆく。しかし肌を露に腰蓑をつけるなど恥とされた時代、世間の風当たりは冷たく、教える相手は全てのド素人。果たして常夏の楽園は誕生するのか?オープンの日は迎えられるのか?2006年制作。