東京で写真家として成功した猛は母の一周忌で久しぶりに帰郷し、実家に残り父親と暮らしている兄の稔、幼なじみの智恵子との3人で近くの渓谷に足をのばすことにする。懐かしい場所にはしゃぐ稔。稔のいない所で、猛と一緒に東京へ行くと言い出す智恵子。だが渓谷にかかった吊り橋から流れの激しい渓流へ、智恵子が落下してしまう。その時そばにいたのは、稔ひとりだった。事故だったのか、事件なのか。裁判が始められるが、次第にこれまでとは違う一面を見せるようになる兄を前にして猛の心はゆれていく。やがて猛が選択した行為は、誰もが思いもよらないことだった──。
大学卒業後、大阪・堺市で銀行マンとして働く山田良一(平岡祐太)にある日、故郷の金沢でれんこん農家を営む母から「父親が脳梗塞で倒れた」と電話が入る。父・竹市(綿引勝彦)が倒れたことにより、畑を引き継ぐか売却か二択を迫られる良一。結婚を考えている恋人、凛(大久保麻梨子)のこともあり、なかなか決断できない。戸惑いながらも父に代わって畑へと向かう良一の姿に、不安と苛立ちを募らせる凜。一方、農林水産省かられんこん農家の視察として神野恵子(栗山千明)が金沢へとやって来るのだった。