シチリアに住む老人マッテオには、イタリア全土に散らばって暮らしている5人の自慢の子供たちがいた。毎年夏には必ず子供たちはシチリアに帰ってくるが、今年の夏に限っては誰も姿を見せなかった。そこでマッテオは自分から子供たちを訪ねて驚かせてやろうと思い立つ。電車でイタリア全土の子供たちに会いに行く旅に出たマッテオはまずナポリの学校に勤めるアルヴァーロに会いに行くが、一向に連絡が取れない。ローマで議員秘書のカニオに会いに行くも、忙しそうで話が出来る状態ではなかった。その後、通行人の勘違いから警察の世話になったところ、モデルのトスカがやってくる。マッテオはトスカの広い自宅に泊まらせてもらい、ファッションショーを観賞しに行くが、彼女にも何か悩みがあるようだ。次に打楽器奏者のグリエルモに会いに行くと、次の公演があるのですぐに旅立つと話されるが、時折見せる作り笑いに公演の話が嘘だと気付く。旅の途中で団体旅行のシニアグループに会い、半日その団体と行動を共にして、食事やダンスパーティに参加して素敵なマダムとの心和むひとときも経験するマッテオだった。最後に幸せな家庭を築いたはずのノルマの家に行くが、孫の話を聞いて悪い予感が的中する。夜中に街を彷徨うマッテオの元に5人の子供たちが幼少時の姿で現れ、一人一人が隠していた真実を語っていく。ナポリ。ローマ、フィレンツェと旅する老人の目に映ったものは果たして何だったのだろうか・・・。旅を終えて、我が家に戻ったマッテオは、妻の墓前で旅の報告をして子供たちの近況を伝えるのだった。子供たちは、みんな元気だった、心配ないと。