大江寿々花(川村りか)は、28歳の精神科医。総合病院の院長を務める父(並木巳喜男)に厳しくしつけられてきた彼女は、独立した今でも父親に逆らえないトラウマを抱えていた。そんな寿々花には、誰にも打ち明けられない秘密があった。それは、“ラバーフェチ”という性癖だった。帰宅すると寿々花は、真っ先にラバースーツに身を包み、その光沢や匂い、密着感を纏うことにより、本来の自分を取り戻すのだった。ある日、父から小児科医の南條晴彦(河合龍之介)を紹介される。最初は反発していた寿々花だったが、父と同じ匂いのする南條に惹かれていく・・・。
国民的アイドルユニット「Fool’s End」が突如『本能寺のフェス ~a Burning Dream~』をもって解散を表明。ついては天下一のアイドルだけが保持できる『天下布舞』の旗(天下旗)を後継グループに譲り渡すという。後継グループの決定は各グループの楽曲売上・ライブ動員数・物販の売上などの総合点によるとされた。そのレースは「天下旗争奪バトルロイヤル」と名付けられ、これにより全国でのアイドル戦国時代の火蓋が切って落とされた。「天下旗争奪バトルロイヤル」の知らせを受け、全国のアイドルグループは色めき立った。中でも斎藤重道Pによる4人組「NO PRINCESS(ノープリンセス)」、伊達宗人Pによる3人組「三日月眼(ルナティックアイズ)」、真田幸之助Pの10人組「X-UC(テンユーシー)」は、それぞれ絶大な人気を誇り、全国進出の機会を伺っていた。3グループはバトルロイヤルへの参加を表明する。
1999年1月某日、警備会社エステックに一本の電話が入った――。社長の大崎(筧 利夫)は、学生時代の先輩で寺の住職・小泉(芦川 誠)からの依頼を受け、精鋭チーム・第二警備隊を結成する。政治団体を標榜しつつもその実は指定暴力団・真政会の一味である護国大憂党は、寺の利権を狙って日々執拗な嫌がらせを繰り返してくる。大崎指揮のもと、隊長・高城(出合正幸)と中本(野村宏伸)を中心に、紅一点の佐野(竹島由夏)も加わり、大恩寺の警備警護にあたる隊員たちであったが、9月9日夜、ついに中本が凶弾に倒れてしまう・・・。
離婚して女手ひとつで愛娘を育ててきた小池涼子。五十を超えた涼子だが、娘の美奈と姉妹と間違えられるほど可愛らしい女性だ。涼子は離婚してから居酒屋を切り盛りしているが、常連の客に言い寄られても軽く交わしてもっぱら韓流ドラマを見て実際の恋愛からは遠ざかっている。急にやめた店のバイトの代わりを娘に紹介してもらった。娘の彼氏のようだったが、その若者・幸太は母・涼子の魅力に惹かれてゆき…。
真理子と夫の孝治は、学生時代からの交際を実らせたおしどり夫婦。だが孝治は怪しい事業に手を出して、いつしか借金が膨大な額に膨れ上がってしまう。そんなとき、真理子は高校の同級生である安西を成功者としての雑誌記事で見つける。真理子と孝治は藁にもすがる思いで安西を訪ねる。安西はお金の工面を承諾するが、その見返りとして出した条件は、真理子と三ヶ月間を共に過ごすというものだった…。
ある日、妻のかおりが死んだ。夫の浩二は葬儀を終え、一人きりになった途端、錯乱したかのように部屋を探し出す。医者から、かおりが妊娠三ヶ月だったことを告げられたからだ。自分の子ではない。いったい誰の子供なんだ?手帳に残された「こんな形で罪深さに怯えるようになるなんて」という走り書き。かおりは、どんな男に抱かれていたんだ?疑念を深めていく浩二。しかしそれは彼女にとっては、大切な人との大切な時間だった…。