もう大切な人を失いたくないー。小学生の時に最愛の母を亡くした主人公秋音。母が亡くなる日、父は母を看とらず「獅子神楽」を舞っていた。「母と獅子神楽、どっちが大切なの?」それ以降、秋音と父の関係に深い溝ができてしまった。高校卒業と同時に故郷を離れる秋音。東京での生活も行き詰まっていた。また、父も妻の死による悲しみから抜け出せないでいた。そんなある日、母の13回忌に5年ぶりに実家に戻る秋音。そこには亡くなった最愛の母に似た女性の存在が、、、60年に一度の大例祭が近づく町ではベテランの舞い手、父が最後の神楽獅子の舞を披露することに。しかし父の体に異変が、、、親子の葛藤、そして人間の愛情、さらに伝統芸能の継承を考える感動の作品。
飲んだら、無敵!――月曜日の朝、ホテルの一室。黒いスーツを着た男が目を覚ます。しかし、彼自身、ここが何処なのか、何故ここにいるのか分からず、頭を抱え懸命に思い出そうとする。そして、気を静めるため胸ポケットから取り出したタバコと一緒に床に落ちた”お浄めの塩”。突然、男の脳裏に断片的な記憶が次々に浮かび上がる。「葬式・・・喫茶店・・・BAR・・・ヤクザ・・・えっ!?」。果たしてそれは悪夢なのか、それとも・・・・・・!?真面目で平凡なサラリーマンが、酔った勢いで事件を起こし、ヤクザや警察から追われる姿をコミカルに描く。
封建的で非効率な医療制度に翻弄される現場の医師達。その犠牲になった親友の後を託された破天荒だが患者一途の医師峰山。二人三脚で峰山と病院を支える健気な秘書坂上。そんななか二人が観た映画『選挙』に心を揺さぶられ、出馬を決意する峰山。しかし、参院選までは残り2週間…。坂上は峰山の熱意と周囲の猛反対との間で板ばさみになりながらも、警察もあきれるほどのドタバタ選挙戦へ…。その健闘ぶりが当時政権与党になったばかりの政和党の目にとまり、参院補選に担がれ、あれよあれよという間に国会へ。しかし、一年生議員として奮闘する二人を待っていたのは全国比例区へのくら替え、そして「三つの敵」…。一方、時を同じくして、坂上の娘・桃子はブラック校則を変えるため高校の生徒会長選に立候補。家庭と職場に選挙を抱えた坂上は「こどもたちの選挙へのひたむきさ」から見えてくる「大人の選挙への理不尽さ」に戸惑い翻弄されながらも「変わらない、変えられない国」の闇に挑んでいく。現役医師・元参議院議員である土田ひろかずが三度の国政選挙経験から見えてきた政治・選挙の裏側をコメディタッチをまじえながら描く社会派ストーリー。
それが関東のやり方かい、大阪極道の根性みせたれや!悪鬼羅刹と化した大阪ヤクザが“代紋の意地”と“極道の道理”を賭け、死に華咲かす仁義なき抗争。「極道は組がすべてや。ヤクザにだけは惚れたらあかん」。“極道の妻たち”の家田荘子の原作を監督和泉聖治がヤクザの激しさと切なさを大胆に演出し、ヤクザ映画の新しい方向性を骨太に描いた渾身の意欲作。