結婚5年目の人妻・小夜子は年上の夫との将来を描けずに離婚を考えていた。ある日、友人のアドバイスもあり離婚後の住まいを探しはじめた小夜子は不動産屋の男・洋平と知り合う。物件を見ていくうちに年齢も近く楽天的で話しやすい洋平に小夜子は心を開いていき、離婚を考えていることを明かす。二人の距離はどんどん縮まっていくが、洋平が失踪した妻・光子に未練を残していることを感じとってしまう小夜子。「奥さんに会ってはっきりさせるべきだ」と洋平をけしかけ、僅かな手掛かりを頼りに北に向けて二人の旅が始まる。
同じ「石橋ユウ」という名前の小学5年生の息子を育てる3人の母親たち。神奈川在住、43歳のフリーライター、石橋留美子(菅野美穂)。夫・豊はフリーカメラマン。息子・悠宇10歳。大阪在住、30歳のシングルマザー、石橋加奈(高畑充希)。離婚してアルバイトを掛け持ちする毎日。息子・勇10歳。静岡在住、36歳の専業主婦、石橋あすみ(尾野真千子)。夫・太一は東京に通い勤務するサラリーマン。息子・優10歳。それぞれが息子の「ユウ」を育てながら忙しく幸せな日々を送っていた。しかし、些細なことがきっかけで徐々にその生活が崩れていく。苦労はあっても、息子への愛に偽りはなかったはずなのに、どこで歯車が狂ってしまったのか。「ユウ」の命を奪った犯人は誰なのか、そして3つの石橋家がたどり着く運命とは……?
ようやく農家の生活に慣れてきた嫁・瑠美は、口うるさい姑(宮下順子)とのやり取りを日々交わしつつ、夜の営みも消極的な夫・優作との生活に悶々としていた。そんな時、夫の優作が怪しい有機栽培の投資ビジネスに騙されているのではないかと懸念を抱く。優作に農業を教えた先輩・狩俣が優作に話を持ってきたらしい。優作を尾行し、狩俣との会話を盗み聞きした瑠美は、麗子というやたらと色気のある女の存在に気づくのだが・・・
農家の嫁である瑠美(フミカ)は、夫の優作(石橋保)と姑と3人暮らし。自然を相手にした農業で生計を立てている。夫は夜の営みに消極的で、最近の唯一の気晴らしは近所に住む友達・みどり(丸純子)やアサミ(和田瞳)とスナックでカラオケを歌ったりおしゃべりすることだった。ある日、そのスナックで老婦人・駒田貴和子と知り合う。貴和子は東京で働いている息子・義孝が会社の金を横領した穴埋めの金300万円を立て替えようと奔走していた。話を聞いていた瑠美・みどり・アサミの3人はオレオレ詐欺だと勘付き、詐欺師を退治しようと動き出す。
ガールズバーで働く35歳の由紀恵の店に、ある日、婚活パーティーに敗れた農家の男たちが客としてやってきた。その中の一人・常太朗は華やかな由紀恵に一目惚れ。店に通い詰めてプロポーズをしてついに由紀恵は農家へ嫁ぐことを決意する。だが現実はシビアだった。夫の家族と暮らすのも農作業も初めての彼女に姑の嘉子は厳しい。そんな折り、常太朗が進めていた通販事業の取引相手が家に来る。その担当者・三島はかつての客で由紀恵を騙した男だった・・・。
祐加は結婚早々、夫・耕三を事故で亡くし、そのショックで歳を取らなくなっていた。そして30年、事故後生まれた娘の綾香も30歳近く。祐加と同じくらいの年齢になって婚約者を家に連れてくるようになっていた。祐加や耕三とつるんでいた昔からの親友、次郎も60歳になったが相変わらず祐加の近くにいてなんやかんやと面倒を見てくれている。次郎は祐加のことがずっと好き。だが長いこと友達づきあいだった祐加にとって次郎をそんな目で見ることはできなかった。ある日、祐加は道端で酔っ払いの女性を介抱する。その女性・恵美は介抱してくれたお礼におまじないしてあげると祐加にキスをする。唖然とする祐加を置いて去っていく恵美。翌日、勤務する図書館の地下で見慣れないドアを発見する。恐る恐るドアを開け中に入っていく祐加。長い暗渠を抜けてなにか見覚えのある街にたどり着く祐加。そこで彼女の目の前に現れた一人の男性。それは30年前、事故で亡くなった耕三だった…。