あの頃は「ブラック」だった。黒いアメリカの最も熱い季節。 スウェーデンにはアメリカの公民権運動の歴史的フィルムが眠っている―。その噂は本当だった。偶然、テレビ局のフィルム倉庫に眠っていたそれらの映像を発見したディレクター、ヨーラン・ヒューゴ・オルソンは、先人が残したその貴重な映像をかき集め、その歴史を年代ごとに丁寧に紡ぎ、一本のドキュメンタリー作品として現代に蘇らせた。そこに映し出されていたのは、自由と平等を求め、権力に立ち向かった多くのアフリカ系アメリカ人たちの姿。その迫真の映像は未来が見えず、閉塞感に充ちた現代を撃つ。オルソンは、現代のアメリカにおいて、様々な分野で活躍するアフリカ系アメリカ人にこの映像を観てもらい、コメンタリーを収集。彼らが語るのは、現代もなお色濃く残るアメリカの光と影。国によって徹底的に歪曲または隠滅させられていた、ブラックパワー運動の真実とはー。