1940年、ナチス・ドイツによる他国への侵攻は激しさを増していた。そんな中、退位しオランダに亡命したものの、未だ国内に根強い支持者を持つドイツ最後の皇帝ヴィルヘルム2世の動向を監視するため、元皇帝の屋敷へと送られてきたドイツ軍将校ブラント大尉。そこで彼は、メイドとして働くミステリアスな美女ミーカと出会い、ひと目で心を奪われる。しかし、ミーカの正体は英国政府の密命を受け屋敷に潜入したスパイだった。
最愛の妻ルースが死んだ。だが、90歳のゼヴはそれすら覚えていられない程、もの忘れがひどくなった。ある日、彼は友人のマックスから1通の手紙を託される。「覚えているか?ルース亡きあと誓ったことを。君が忘れても大丈夫なように、全てを手紙に書いた。その約束を果たしてほしい―」2人はアウシュヴィッツ収容所の生存者で、70年前に大切な家族をナチスの兵士に殺されていた。そしてその兵士は身分を偽り、今も生きているという。犯人の名は“ルディ・コランダー”。容疑者は4名まで絞り込まれていた。体が不自由なマックスに代わり、ゼヴはたった1人での復讐を決意し、託された手紙と、かすかな記憶だけを頼りに旅立つ。だが、彼を待ち受けていたのは人生を覆すほどの衝撃の真実だった―
精神科医のヘクターは、美人でしっかり者の恋人クララと一緒に、ロンドンで何一つ不自由のない生活を送っていた。しかし、毎日患者たちの不幸話を聞き続けていくうちに、自分自身の人生も価値の無い物のように思えてきてしまう。「幸せって、なんだろう…?どこにあるんだろう?」ヘクターは答えを求めて、旅に出ることを決意する。イギリスを旅立ち、中国からチベット、アフリカ、そしてアメリカへ。行く先々でとんでもないハプニングに巻き込まれながらも、彼は各地で出会った幸せのヒントを手帳に書き記してゆく。はたして旅の終わりにヘクターは愛と幸せを見つけ出すことができるのだろうか―?