都会の一隅にある、平屋の日本家屋。幼い頃から猫に好かれていたサヨコ(市川実日子)は、たくさんの猫たちと暮らしながら、心寂しい人たちと猫を引き合わせていきます。サヨコから猫を借りるのは年齢も境遇も異なる人々。夫と愛猫に先立たれた婦人(草村礼子)、単身赴任中の中年男(光石研)、自分の存在意義に疑問を感じるレンタカー屋の受付嬢(山田真歩)、サヨコと浅からぬ因縁を持ち、今はとある組織から追われる男(田中圭)。そして謎の老人(小林克也)の存在。彼らの心の隙間を埋める瞬間に立ち会いながら、サヨコにも次第に変化が訪れていきます。「レンターネコ、ネコ、ネコ。」都会の片隅でひっそりと営まれる1軒のレンタネコ屋が、今日もあなたに“レンタネコ”を届けます。
若菜家は、息子2人、父と母の平凡な家族。だがある日、若菜家の母・玲子(原田美枝子)に「脳腫瘍」が見つかる。末期症状で、余命1週間の診断をされる。父(長塚京三)は取り乱し、長男の浩介(妻夫木聡)は言葉を失くし、次男の俊平(池松壮亮)は冷静を装う。やがて、“どこにでもいる家族”に潜んでいた秘密が表面化していく―。どうしたらいいか分からない、でも投げ出すことなんてできない。そして男たちは「悪あがき」を決意する―。