過疎地に暮らす、代々刀工を営む一家の下に東京から美大生たちがやってくる。知的障害を持つ兄妹や見習い工は彼らと馴染めず、この溝はやがて様々な事件を巻き起こす。
失明を宣告された映写技師の男は、箪笥の奥に大切にしまわれていたスプーンで幼い日々の思い出をすくい出す。膨大な視覚イメージの中から彼が手にしたのは、バレエを学ぶために遠く旅立った少女との甘く苦い記憶だった。