小規模な地震が相次ぐルイジアナ州。家族で経営する観光ガイドの仕事すら満足にこなせず、酒と女に溺れるダメ男のポールは、父の命令でバスツアーの運転手兼ガイドとして、数名の乗客を迎い入れバスを走らせていた。そんな道中、道路にできた大きな地割れを発見。様子を見るためバスを降りる一行だったが、バイオガスの臭いが充満するなか、手のひらサイズの目のない白いクモが複数いることを確認。生物の教師だという乗客によれば、地底生活で目が退化した新種のクモとのことだった。その直後、無数の巨大グモが至るところから出現し、街を混乱の渦に巻き込んでいく。
深夜の地下鉄。目を覚ますと、男は混沌の中にいた。光、音、すべてが初めて見るもの。男は逃げるように駆け出した。向かう先、それは地上と呼ばれる場所。次に目が覚めた時、男はベッドの中にいた。見覚えのない部屋にいたのは一人の女マヤ。彼女は男に問う。「あなたは誰?」と。“僕”は、暗闇の中に独りきりだった。時折、“プロバイダー”と名乗る男が重い扉の向こう、一筋の光とともに現れる。それが“僕”のすべてだった。地上で行き場のない“僕”にマヤは救いの手を差し伸べてくれるのだが…。