事件は、伊藤会館で開かれた井上財団の遺物展示会場で始まる。日本のJBI(Japan Bureau of Investigation)特別捜査隊 特殊捜査要員の坂本正行(チャン・ドンゴン)と西郷正次郎(仲村トオル)は、伊藤会館に乱入した不令鮮人一味を鎮圧するために投入される。朝鮮人である坂本は、事件現場で不令鮮人がねらったものが、「月霊」という高句麗時代の遺物だったことを発見する。「月霊」と「霊鼓台」にからまった秘密を暴く過程で、井上財団と対抗することになった坂本は、停職処分にあったあげく暗殺者の標的になる。坂本は、徐々に日本情報機関の意図を悟り、親しかった同僚西郷さえ敵にならざるをえない現実に目覚める。
朝鮮王朝が明国の影響下にあった時代。第4代王・世宗(ハン・ソッキュ)は、奴婢の身分だったチャン・ヨンシル(チェ・ミンシク)の優れた才能を認め、武官に任命する。豊富な科学知識と高い技術を持つヨンシルは「水時計」や「天体観測機器」を次々に発明。それらは庶民の生活に大いに役立てられた。一方で、「明の従属国という立場から脱し、朝鮮の自立を成し遂げたい」という夢をもつ世宗も、朝鮮独自の文字である“ハングル”を創ろうとしていた。天と地ほどの身分の差を超え、特別な絆を結んでいく二人。だが朝鮮の独立を許さない明からの攻撃を恐れた臣下たちは、密かに二人を引き離そうとする。そしてある日、世宗を乗せた輿が大破する大事故が発生。輿の製作責任者であるヨンシルに疑いの目が向けられるが…
舞台は1937年の京城(ソウル)。朝鮮総督府1級書記官のヘミョン(パク・ヘイル)は、日本人高等検事である親友のシンスケ(キム・ナムギル)と訪れた秘密クラブで、魅力的なダンサーチョ・ナンシル(キム・ヘス)に一目惚れする。しかし彼女が作った弁当が総統府で爆破し、彼女も姿を消す。彼が知った事実は、ナンシルには名前も職業もいくつか存在する正体不明の女性で、テロリストと関わりがあるということ。迫る危機感の中でも彼女への思いをつのらせるヘミョン。敵対するシンスケとの友情に揺れながらも、愛と運命を賭けた一生一代の危険千万なナンシルの追跡が繰り広げられる―。