楽器の部品会社で働くサラリーマン・鈴木良一(長谷川博己)は、以前はロックミュージシャンを目指していたが挫折し、それ以来うだつのあがらない毎日を過ごしていた。同僚の寺島裕子(麻生久美子)に想いを寄せているが、小心者すぎてまともに話すこともできない。ある日、良一はデパートの屋上で一匹のミドリガメと目が合い、運命を感じる。あきらめたロックミュージシャンへの道、裕子への想い・・・良一の人生を取り戻すために必要な最後の欠片<ピース>、それが・・・そのミドリガメだった!そのミドリガメ・ピカドンとの出会いが転機となり、良一の人生は怒涛の展開をみせ、日本じゅうを巻き込んでいきー。そしてそれは謎の老人(西田敏行)と言葉を得たおもちゃたちの住む、不思議な地下の世界にまで席巻していく。ーその半年後、来る東京オリンピックのために作られた「日本スタジアム」で行われている、熱狂した観客に包まれた大人気ロックスターのライブ。そのスターは、自信に満ち溢れ、きらびやかに変貌した良一だった。そしてそんな良一を客席から見守る裕子。良一、裕子、ピカドン、謎の老人、おもちゃたち。愛を奪い返そうとする彼らの想いは、愛を背負った巨大な怪獣【LOVE】を東京の街に出現させる。
天才的な寿司職人の娘として生まれたケイコ。寿司職人を目指して修行の日々を送る彼女は、家を飛び出し、とある温泉旅館で働くことになった。そんなある日、宴会のため旅館に宿泊していた小松製薬の社長に恨みを抱く男が出現し、宴会の寿司を究極の殺戮生物デッド寿司へと変えてゆく。
慎ましくも平穏な日々を送っていた明智一家。幼い頃から正義感の強いしっかり者の長女、優しい母に、働き盛りの父、呆けてはいるが明るく楽しい祖父。そんなどこにでもいる平凡な家族のもとに、ある日突然、勘当され行方不明になっていた放蕩息子が10年ぶりに舞い戻ってきた。そして時を同じくして、明智家の平穏さの裏に隠されていた嘘と欺瞞が、小さな亀裂から次々と噴出しはじめ・・・。ついには、彼らを支えていた“正”と“悪”の価値観までもが、ものの見事に逆転していく。