非正規採用である高校に赴任してきたソ・シミン。そこはハン・スガンという生徒の暴力に支配されていた。有力者の親に守られて教師も警察も手出しできないのをいいことに、スガンの傍若無人な振る舞いはエスカレートするばかり。正規雇用となることを切望するシミンは、トラブルを避け見て見ぬふりをしながら目立たず無難に過ごそうとする。だが、スガンのいじめのターゲットとなったジニョンの、祖母までもが脅されている切羽詰まった状況を目の当たりにして我慢も限界に。猫のマスクで正体を隠したシミンがスガンとその一味の前に立ちはだかった。そう、シミンは元ボクシングチャンピオンだったのだ。しかし、学園の支配者スガンが黙っているはずがなかった―。
レバノン内戦下のベイルートで韓国人外交官が忽然と姿を消した。やがてそれが忘れ去られた頃、現任の外交官ミンジュン(ハ・ジョンウ)は、消えた外交官が人質として生きていることを告げる暗号をキャッチする。彼を救うため、身代金を手にレバノンに向かったミンジュンだが、現地に降り立つや否や大金を狙った武装組織に襲われピンチに陥ったところを、タクシー運転手として働く韓国人のパンス(チュ・ジフン)に救われる。金のためなら何でもするパンスを、韓国政府からの見返りをチラつかせて同行させることにしたミンジュン。奇妙な協力関係で結ばれた二人は、時にぶつかり、互いを認め合いながら戦火が吹き荒れるベイルートの街を突き進んでいくのだが…。果たして二人は捕らわれた外交官を無事に救うことができるのか?
強力班3年目の刑事ヤン・チュンドン (キム・ガンウ)の担当区域で女子児童が誘拐され殺害される事件が起こる。チュンドンは捜査中、自分が偶然見つけた道の不思議な落書きと事件現場とが一致する事に気付き、壁に絵を描いたジュン (キム・ボム)を追跡し始める。やっとのことでジュンを捕まえるが、ジュンが手で人や物に触れると過去を見ることができる‘サイコメトリー’能力を持っている事を知る。ジュンは自分の能力を負い目に感じながら一人で生きてきたが、その能力を通じて偶然知ることとなった犯罪事件の手がかりを絵に描いてきた。しかし、その絵のせいで結局、少女誘拐事件の有力な容疑者として追われるはめに・・・。
腕にドラゴンのタトゥーがあり、何かと喧嘩っ早い少女ヘヨン。母亡き後、ギャンブル中毒の父の代わりに幼い弟の面倒をみていた。ある日、父が盗んだ車で事故を起こし、意識不明の重体に。被害者から巨額の和解金をつきつけられ、さらには住まいも奪われてしまう。しかし、その事故の裏には信じがたい事実が隠されていた。格差、不正、虚偽・・・こんな世の中は許せない!怒り狂ったヘヨンはブルドーザーに乗り、理不尽な社会をなぎ倒す!
経済学者のオ・ヨンミン(イ・ボムス)は、過去の行動によって韓国に戻ることが出来ず、亡命先の西ドイツでも評価されない日々に嘆いていた。そんな中、ある人物から北朝鮮で大学教授として働かないかと勧誘を受ける。自分の経済論が日の目を見れば今よりも良い暮らしができるかもと、妻ウンスク(パク・チュミ)の反対を押し切り北朝鮮へ向かう。しかしそこで待っていたのは、大学教授としての日々ではなく工作員としての苛酷な訓練だった。そしてついに工作員としての指令を受け、家族と共に再び西ドイツへ向かう事になる。空港で見張りを振り切り逃亡を試みるが、北朝鮮の工作員に妻と娘を人質に取られてしまう。家族を助けるために必死に奔走するが、各国の情報局は彼を泳がせ北朝鮮のスパイを捕まえるために利用する。誰も信じられない状況で、彼は家族を再び取り戻せるのか―