幼いころ母親に捨てられ、中国系犯罪組織に殺し屋として育てられたゴン(チャン・ドンゴン)。ある日彼はアメリカでの任務遂行中に、誤って幼い少女を殺めてしまう。やるせない虚脱感に囚われ姿をくらますゴンだが、それを許さない組織のボスは少女の母モギョン(キム・ミニ)を葬ることを命じる。非情な組織の掟から逃れられないゴンは、これが最後の仕事と決め、モギョンを追って祖国の韓国へと旅立つ。殺しの準備を整えるゴンだったが、愛娘を亡くし嘆き悲しむモギョンの姿を目の当たりにして拳銃の引き金を引くことができない。母と娘の幸せを奪ってしまった罪悪感が、ゴンに封印してきたはずの哀しい過去の記憶を呼び覚ますのだった。そしてゴンはある決意を胸に組織を裏切り、差し向けられた刺客たちとの嵐のような死闘に突き進んでいく…。
事件は、伊藤会館で開かれた井上財団の遺物展示会場で始まる。日本のJBI(Japan Bureau of Investigation)特別捜査隊 特殊捜査要員の坂本正行(チャン・ドンゴン)と西郷正次郎(仲村トオル)は、伊藤会館に乱入した不令鮮人一味を鎮圧するために投入される。朝鮮人である坂本は、事件現場で不令鮮人がねらったものが、「月霊」という高句麗時代の遺物だったことを発見する。「月霊」と「霊鼓台」にからまった秘密を暴く過程で、井上財団と対抗することになった坂本は、停職処分にあったあげく暗殺者の標的になる。坂本は、徐々に日本情報機関の意図を悟り、親しかった同僚西郷さえ敵にならざるをえない現実に目覚める。
1950年に勃発した朝鮮戦争。強制的に徴兵されたと弟ジンソク(ウォンビン)を守るため兄ジンテ(チャン・ドンゴン)もまた兵役を志願する。凄まじい戦闘の中、危険な任務に身を投じていく兄と、その姿に戸惑うジンソク。2人の溝が決定的になった時、さらなる悲劇が彼らを待ちかまえるのだった。
韓国国家情報院と米CIAの企てにより、北から亡命させられたエリート高官の息子キム・グァンイルが連続殺人事件の有力な容疑者として浮上する。彼が犯人であることを本能的に確信した警視のチェ・イドはグァンイルを追うが、国家情報院の要員パク・ジェヒョクの保護によりグァンイルは捜査網をすり抜けていく。さらには北朝鮮・保安省所属の工作員リ・デボムまでが介入し、事態は思いもよらない方向へと進んでいく。