ある日、妻のかおりが死んだ。夫の浩二は葬儀を終え、一人きりになった途端、錯乱したかのように部屋を探し出す。医者から、かおりが妊娠三ヶ月だったことを告げられたからだ。自分の子ではない。いったい誰の子供なんだ?手帳に残された「こんな形で罪深さに怯えるようになるなんて」という走り書き。かおりは、どんな男に抱かれていたんだ?疑念を深めていく浩二。しかしそれは彼女にとっては、大切な人との大切な時間だった…。
横浜の一角で運命的な出会いをした忠志と裕子。ふたりは度重なる偶然の出会いをきっかけに急速にお互いを意識し始め、デートを重ねる度に精神的に魅かれ合って行く。だが、それぞれには家庭があり、いけないと思いながらも互いの感情を抑えられなくなってきた頃、双方の家族にお互いの存在が知れてしまい……。
ガールズバーで働く35歳の由紀恵の店に、ある日、婚活パーティーに敗れた農家の男たちが客としてやってきた。その中の一人・常太朗は華やかな由紀恵に一目惚れ。店に通い詰めてプロポーズをしてついに由紀恵は農家へ嫁ぐことを決意する。だが現実はシビアだった。夫の家族と暮らすのも農作業も初めての彼女に姑の嘉子は厳しい。そんな折り、常太朗が進めていた通販事業の取引相手が家に来る。その担当者・三島はかつての客で由紀恵を騙した男だった・・・。
真理子と夫の孝治は、学生時代からの交際を実らせたおしどり夫婦。だが孝治は怪しい事業に手を出して、いつしか借金が膨大な額に膨れ上がってしまう。そんなとき、真理子は高校の同級生である安西を成功者としての雑誌記事で見つける。真理子と孝治は藁にもすがる思いで安西を訪ねる。安西はお金の工面を承諾するが、その見返りとして出した条件は、真理子と三ヶ月間を共に過ごすというものだった…。
岩田(火野正平)はギタリストの道を諦め、マンション管理人の仕事についた。掃除やゴミ処理の地味な仕事を黙々とこなす毎日だが、住人の評判は良く、一人で静かに慎ましく暮らしていた。 ある日、彼は泥酔して帰宅した住人の若い女・ユミ(桜木梨奈)を介抱する。 彼女は本職のダンスでは食べていけず、「パパ」と呼ぶ父親ほども年の離れた男の愛人をしていた。 しかし男の妻に関係が知られ、部屋も追い出されたユミ。 かねてから患っていた双極性障害の病状は悪化しつつあり、自我を失っていく彼女を突き放せない岩田は、仕事を捨ててユミと流浪の生活を始める。 そんな中、あるライブハウスで久しぶりにギターを手にし、かき鳴らす岩田。するとユミがそれに合わせて踊り始めた。孤独な二人はいつしか互いの存在にすがりながら、あてのない旅を続ける……。