風間彩人(磯村勇斗)は、亡くなった父の借金を返済し、難病を患う母、麻美(霧島れいか)の介護をしながら、昼は工事現場、夜は両親が開いたカラオケバーで働いている。彩人の弟・壮平(福山翔大)も同居し、同じく、借金返済と介護を担いながら、父の背を追って始めた総合格闘技の選手として日々練習に明け暮れている。息の詰まるような生活に蝕まれながらも、彩人は恋人の日向(岸井ゆきの)との小さな幸せを掴みたいと考えている。しかし、彩人の親友の大和(染谷将太)の結婚を祝う、つつましくも幸せな宴会の夜、彼らのささやかな日常は、思いもよらない暴力によって奪われてしまう。
ある夏の夜、なっちゃんが死んだ。つまらない冗談を言っては「笑いなさいよ!」と一人でツッコミを入れていたなっちゃんは、新宿二丁目で食事処を営むママ。その店で働くモリリンはドラァグクイーン仲間のバージンとズブ子を呼び出す。彼らがまず考えたのは、なっちゃんが家族にオネエであることをカミングアウトしていなかったこと。証拠を隠すためなっちゃんの自宅に侵入した3人は、なっちゃんの母・恵子と出くわしてしまう。何とかその場を取り繕った彼らだが、恵子から岐阜県郡上市の実家で行われる葬儀に誘われてしまい、なっちゃんの“ひみつ”を隠し通すため“普通のおじさん”に扮し、一路郡上八幡へ向かうことになる……。
8歳のサヤカ(新津ちせ)は、両親(坂井真紀、滝藤賢一)、愛犬のルーと一緒に赤い電車が走る海辺の街で暮らしていた。彼女は臨海学校で留守にした数日の間にルーがいなくなったことが信じられず、ルーとの思い出の場所を訪ねては捜し続けていた。ある日、サヤカは以前ルーが連れていってくれた野原で一匹の犬と出会う。
かつて数々の伝説的スクープをモノにしてきた凄腕カメラマン・都城静(福山雅治)。しかし、その輝かしい業績も、現役の雑誌編集者たちにはほとんど知られてない。過去のある事件をきっかけに報道写真への情熱を失ってしまった静は、芸能スキャンダル専門のパパラッチに転身。それから何年もの間、自堕落な日々を過ごしてきたのだ。そんな彼に、再び転機が訪れる。ひょんなことから写真週刊誌「SCOOP!」に配属されたばかりのド新人記者・行川野火(二階堂ふみ)とコンビを組まされる羽目になってしまったのである。案の定まったく噛み合わずケンカばかりの静と野火。ところが、この凸凹コンビが、まさかまさかの大活躍で独占スクープを連発!そしてついに、日本中が注目する重大事件が発生する・・・。
恋人との普通の幸せを夢見ていた千恵はある日、乳がんを宣告される。見えない不安に怯える千恵に信吾は優しく寄り添いプロポーズ。2人は晴れて夫婦となった。抗がん剤治療を続けるため子どもをあきらめていた千恵だったが、ある時妊娠していることが分かる。産むか産まないか――産むということはがんの再発リスクが高まるということだった。千恵は周りの支えで産むことを決意し、無事出産。「花のようにみんなに愛されますように」と名付けられた『はな』はすくすくと元気に育つ。しかし、家族3人、幸せな日々は長くは続かず、千恵を再び病魔が襲う。健康の基本は食生活から、と今までの食事を見直す千恵。一度は快方へ向かうが全身転移が判明、千恵は余命がわずかであることを覚悟する。4歳になったはなに千恵は、自分がいなくなってもはなが暮らしていけるようにと、毎日みそ汁を作ることを約束させ、料理を教えはじめる。はな5歳の誕生日、千恵は夢であったクラシックコンサートに出演し、娘、夫、家族や友人への感謝の気持ちをこめて歌う。千恵が天国に召された現在、「ちゃんと作る、ちゃんと食べる」という千恵の想いを胸に、今日もまたはなと信吾はみそ汁ののった食卓でご飯を共にするのだった。
フリーターの姉・葉月と女子高生の妹・呼春は、母の佐和と3人暮らし。14年前に女の人を作って家を出て行ったきりの、父の記憶はほとんどない。ある日、佐和から「離婚したお父さんがもうすぐ死ぬから会いに行って、ついでにその顔を写真に撮って来てほしい」と告げられる。