とある町に佇む小さな“スナック小夜子”。今夜もその灯りを求めて、さまざまな常連客が集ってくる。そんな“スナック小夜子”オープンしたのは、ママの真奈美がシングルマザーとして娘・小夜子を育てるためだった。20年前、オカマのショーパブで舞台スタッフをしていた真奈美は、スター・ダンサーであるエンジェルと仕事仲間として友情を分かち合っていたが、エンジェルがタイへ出発する前夜、酔っぱらってしまったふたりは、いつのまにか男女の関係に……。生まれた娘・小夜子は、自分の父親のことは知ることもなく成長し、高校卒業とともに母を残して東京でひとり暮らしを始める。数年後、いくつかの恋に破れ実家にもどってきた小夜子は、“スナック小夜子”が借金だらけで閉店しなければならないことを知り、隣町で大人気のオカマバー“シャープ”をまねて、ホステスの亮子と“偽オカマバー”として再起をかける。その計画を真奈美に猛反対された小夜子は真奈美の昔の友人である、オカマのエンジェルに力を貸してほしいとお願いする。数日後、エンジェルはミラーボールとともに“スナック小夜子”にやってくる。エンジェルの厳しい指導のもと、小夜子と亮子は“偽オカマダンサー”として大変身。毎夜多くの客が足を運び、“偽オカマバー”作戦は大成功!しかし……、オカマに扮した本当は女性の小夜子と亮子の運命は? そして、オカマの父? エンジェル、スナックのママを続ける母真奈美、恋多き娘小夜子の不思議な家族の未来は?
元パンクバンドのギタリストで、17歳で母親になったアキと、しっかり者の女子中学生・ハツキは対照的だが、親友のように仲がよく、名古屋のアパートで二人暮らし。ある日、約2年間、海外放浪の旅をしていた自由人・ヤグが帰ってきた。アキと同じバンドでボーカルだったヤグは、自分の子どもではないハツキが産まれる前からアキと一緒に暮らしていた。2年ぶりの3人暮らしで、アキとヤグは楽しそうだ。でもやたらと絡んでくるヤグや、きちんと仕事をしないヤグを笑って許しているようなアキの態度に、ハツキはイライラしてしまう。そんな中、ハツキは親友のトモちゃんと喧嘩してしまい、彼女はそのまま転校してしまう。さらに自分の進路にある決断をする。それをきっかけに、ハツキはアキの本当の気持ちや、ヤグの過去を知ることとなる……。
少女は夢に生き、青年は夢を捨てて生きてきた――オペラ歌手を夢見、名門女子高の合唱部でソロを歌う岩田真理子(安藤サクラ)は、ふとしたきっかけで一人の青年(佐々木崇雄)に出会う。大事な楽譜をなくされた真理子は、その償いとして青年に学校帰りのボディガードになってほしいと頼む。次第に親密になっていく二人だったが、青年はいつまでたっても自分の名前を明らかにしない。在日朝鮮人三世、趙聖文(チョ・ソンムン)が彼の名だった。そんななか、真理子は合唱部のソロを降ろされ自暴自棄に。一方、聖文は悪事に手を染めるようになる。互いに惹かれ合いながらも溝が深くなっていく二人・・・・・・。