悠二は、俳優になるために上京したものの、鳴かず飛ばずの日々を送っている。別れた彼女のユキとの同棲生活も未だに続き、彼女との終わりも受け入れられない。そんなある日、高校の同級生・多田と再会した悠二は、高校時代に絶対的な存在だった“佐々木”との日々を思い起こす。常に周りを巻き込みながら、爆発的な生命力で周囲を魅了していく佐々木。だが佐々木の身に降りかかる“ある出来事”をきっかけに、保たれていた友情がしだいに崩れはじめる。
俺は拳銃を拾った――。大学生、西川トオル(村上虹郎)は、雨の夜の河原で、ひとりの男の死体と共に放置されていた拳銃を手にし、それを自宅アパートに持ち帰った。まもなく、その銃は彼にとって、かけがえのない宝物のような存在になった。見つめれば見つめるほどに、触れたならば触れるほどに、愛しさがこみあげてくる。誰かを脅すことも、守ることも、殺すことも、また自ら死ぬことも可能にする銃という<道具=武器>は、大学生活の心的様相もあざやかに変えていく。
高校時代、軽音楽部に所属するも煮え切らない毎日を過ごしていた美羽。ある日、ギャルな先輩に導かれ、ガングロギャルチーム「ブラック・ハマナス」に出逢った美羽、あおい、優等生の彩香は、勢いで加入することに。パラパラダンスに打ち込む美羽たちの姿は、軽音楽部でロックを目指していた柴田も刺激を受けるほどの輝きを放っていた。12年後、元ギャルの3人は、高校時代に砂浜に埋めたタイムカプセルを探しに向かうが・・・
島で暮らす16歳の少年・界人(村上虹郎)は、島に古代から伝わる八月踊りの夜、海に浮かぶ男性の遺体を発見。動揺する界人を同級生の杏子(吉永淳)が見ていた。杏子の母親イサ(松田美由紀)は島の人々の相談を受けるユタ神様として慕われてきたが大病を患う。一方、界人は恋人の影を感じさせる母親・岬(渡辺真紀子)のことを汚らわしく思っていた。界人は自分が幼いころに母親と離婚し、東京で暮らす父(村上淳)に会いに行くが、界人が島に戻ると岬は姿を消していて……。
社会からスルーされ続けた「ゴッホ」に自らを重ね、社会に反抗する17歳の花田花梨が主人公。妻を失った父と歳の離れた妹と暮らす花梨は、半ば引きこもりの日々を過ごしていたが、父との言い争いをきっかけに、親友・風子の家へ転がり込む。ある日、電車内で病人に席を譲ったときの得も言われぬ感覚が、花梨にひらめきをもたらす。“現実+フィクション=ファンタジー・・・からの世界平和!!!??”。風子の協力を得た花梨は“プリテンダーズ”を結成。武器は“アイデア”と“SNS”のみ。満員電車での諍いを喜劇に変えたり、ゾンビを街に出現させたり……次々と型破りなドッキリを仕掛け、フィクションの力で世界を変えようと突き進むJKふたり。プリテンダーズは協力者を増やし、RTされ、RTされ、ついにバズる!しかし、ふたりを待っていたのは、“社会”からのしっぺ返しだった・・・!?