オムニバス形式で送る【B級】ショート・パルプフィクション【第一章】大都会・新宿の片隅にひっそりと棲息する名無しの「探偵」(裏地圭)は、大会社の重役から家出した自分の娘を探してほしいという依頼を受ける。その娘・麻耶(NAGI)との出会いが、探偵をキナ臭い争いに巻き込んでいく。【第二章】親友同士の花田(仁也)と風間(斎藤嘉樹)は、花田を借金漬けにして破滅させた暴力団組長・寺光(真柴幸平)を拉致し、山奥で殺害しようと計画を実行する。しかし、風間が花田を思いとどまらせようとしたことから、二人の間に亀裂が生じ……。【第三章】探偵がついに探し当てた麻耶は、ある理由により親元に帰ることを拒否した。そして音信不通になっている恋人の存在を明かし、その男となら一緒に海外へ脱出するという。探偵は麻耶の恋人を探すため、再び歌舞伎町に舞い戻る。
一年前に解散したバンド「LACTIC ACID」 その直接の原因を作った元ボーカル・慎平。ある”もの”と引き換えにお金をくれる彼女・ゆかり。元バンドメンバーで元親友の黒やん。慎平はバンドの再結成を強く願い、黒やんたちは元バンドメンバーに働きかけ、失われた友情を取り戻していく。そして、慎平とゆかりにも一つの変化がー。物語は転調を繰り返し、大きくうねっていく。
演劇部時代のトラウマを抱えた主人公・香澄(増田有華)は、妹・菜摘(白石優愛)の演劇祭を観るために6年ぶりに地元に帰省する。本番当日、香澄は菜摘から、家に忘れたバッグを劇場まで届けて欲しいとお願いされる。バッグの中にはラストシーンで使う仮面が入っていた。香澄は昔の仲間である米司(坂井良多)に車で迎えに来てもらい久しぶりの再会を果たすが、目を離した隙に大事なバッグを誰かに盗まれてしまう。残されたメモには「バッグを返して欲しければ、この町で一番大きな野球場に来い」・・・と書かれてあった。次々と出される謎の指令に翻弄される香澄と仲間たち。しかし、その裏には隠された驚愕の事実があった-
父親の看病のため借金を背負った紀美は、高額の出演料に惹かれ廃墟でのビデオ撮影に参加してしまう。しかしそれは、新興宗教の勧誘が目的のレイプビデオであった。 しかも紀美が乱暴され失神している間に、スタッフたちは得体の知れぬ存在に惨殺されてゆく。その廃墟は、死霊の巣窟だったのだ。意識を取り戻した時、紀美は車椅子に縛り付けられていた。必死の脱出を試みるが、死霊に捕われた紀美は、想像を絶する恐怖と快楽を体験することになる……。
匂いに敏感なひのき(17)は、亡くなった父が残した全国のミニシアターで観た映画の感想が書かれたノートを見つける。ある映画館だけ場所がわからず、匂いのメモや、感想だけが書かれていた。コーヒー豆の焙煎店を営んでいた父が残したコーヒー豆を配りながら、父の巡った映画館へと旅にでるひのき。薄れていく父の匂いと、場所のわからない映画館を探しながら、ひのきは少し、大人になっていく。