囚人たちの為に演技のワークショップの講師として招かれたのは、決して順風満帆とは言えない人生を歩んできた役者のエチエンヌ。彼はサミュエル・ベケットの『ゴドーを待ちながら』を演目と決め、訳あり、癖ありの囚人たちと向き合うこととなる。エチエンヌの情熱は次第に囚人たち、刑務所の管理者たちの心を動かすこととなり、難関だった刑務所の外での公演にこぎつける。しかし思いも寄らぬ行動を取る囚人たちとエチエンヌの関係は、微妙な緊張関係の中に成り立っており、いつ壊れてしまうかもしれない脆さを同時に孕んでいた。それは舞台上でもそのままに表出し、観客にもその緊張感がじわじわと伝染し始める。ところが彼らの芝居は観客やメディアから予想外の高評価を受け、再演に次ぐ再演を重ね、遂にはあの大劇場、パリ・オデオン座から最終公演のオファーが届く!果たして彼らの最終公演は観衆の歓喜の拍手の中で、感動のフィナーレを迎えることができるのだろうか?
ある日精神病院で目覚めたレオ・ミラン。長年の相棒であり恋人であるアンナへのプロポーズを装った潜入捜査と必死の攻防の末、無事ドバイの高層階にあるレストランからの脱出に成功…したはずだった。自らを<ライオン>というコードネームのスパイだと名乗り、常人離れした体力を見せつけるも、彼のうわ言には誰も耳を貸さない。明日には軍の精神病棟に送られようというその中、精神科医ロマンに「お前の恋人が狙われている」と警告を放つ。半信半疑のまま帰宅したロマンは無事彼女ルイーズの姿を確認するも、宅配のドアを開けた瞬間に襲われ、目覚めたときには彼女はいなくなっていた。取り乱すロマンに、レオはルイーズを見つける交換条件として自分を病院から出すように迫る。取引に応じ、レオとともにルイーズ救出に乗り出すロマン。しかし誘拐された彼女の足跡を追ううちに、ルイーズがいくつもの顔を持つ国家警戒レベルに危険な女性だということが明らかになる。果たしてルイーズを誘拐した組織の真の目的とは?そして<ライオン>レオ・ミランとはいったい何者なのか?