ツチダは同棲中の恋人・せいいちのミュージシャンになる夢を叶えるため、内緒でキャバクラで働いていた。一方せいいちは毎日仕事もせずにダラダラと過ごす日々。しかし、ツチダがキャバクラの客と愛人関係になり生活費を稼いでいることを知ったせいいちは、心を入れ替え働き始める。そんな矢先、ツチダは昔の恋人・ハギオと偶然の再会を果たす。過去の思い出にしがみつくように、ハギオにのめり込んでいくツチダだったが・・・。
自称「21世紀の天才レントゲン技師」こと飛島芳一は、第二農響会長に「キンジローが本物ならパリ万博出品時に骨折した跡があるはず」とレントゲン撮影を依頼される。キンジローとは、美人四姉妹…アキノ、みはり、日々子、あづきのいる二宮家が代々運営する「サラマンドル・キンジロー財団」によって管理される、動物国宝のオオサンショウウオ。同じ頃、家を追い出されているパパ・四郎は、「悪い奴らに狙われているから、キンジローを連れだしてくれ。そしてママに会いにいこう」とあづきに持ちかける。物心ついた時にはママはおらず、一生会えないと思っていたあづきの心は揺れる。キンジローの生誕150周年パーティの夜。忍びこんだ芳一とあづきは出逢い、恋に落ちる…。果たしてキンジローは本物か?芳一とあづきの恋の行方は?しかし、すべてがぶっ飛ぶような展開が待ち受けている!?
定年退職した校長先生、森衣恭一は堅物さと偏屈さから近所では浮いた存在だ。訪ねてくるのは亡き妻がかわいがっていた三毛猫・ミイくらい。猫嫌いの先生は何とか追い払おうとするが、ミイは毎日妻の仏壇の前に座っているのだった。しかし、ある日突然、姿が見えなくなる。何故か心配になり探し始めると、自分の他にもミイを探している人達がいることが分かる。彼らと関わっていく中で、先生の頑なな心が変化していくのだった。
よろこんだ涙 くるしんだ涙 すべて味わいになるー北海道・空知。父が遺した小麦畑と葡萄の樹のそばで、兄のアオはワインをつくり、ひとまわり年の離れた弟のロクは、小麦を育てている。アオは“黒いダイヤ”と呼ばれる葡萄“ピノ・ノワール”の醸造に励んでいるが、なかなか理想のワインはできない。そんなある日、キャンピングカーに乗ったひとりの旅人が、突然ふたりの目の前に現れた。エリカと名乗る不思議な輝きを放つ彼女は、アオとロクの静かな生活に新しい風を吹き込んでいく・・・。
これまで友達も彼氏も作らずに生きてきた16歳の橘めい。ある日、ふとした誤解から学校一のモテ男・黒沢大和にケガをさせてしまうが、なぜか大和はめいを気に入って一方的に友達宣言。さらに、ピンチから救うためにキスをする。優しく一途な想いを秘めた大和にめいは次第に惹かれていって・・・。大和とたくさんの「はじめて」を経験して色づき始めるめいの世界。大和の純粋な気持ちに応えることで、自分の持つ強さや弱さと向き合い、大切な人の存在に気づいていく。良き理解者であるあさみや口は悪いがや優しい愛子、ムードメーカーの中西、皆を優しく見守る雅司たちと関わりながら、少しずつ成長していくめい。そこに大和に恋心を寄せるカリスマモデルのめぐみ、大和の幼なじみである海が現れ―。はじめての友達、はじめての恋のライバル・・・、喜び、悩み、ぶつかり、傷つきながら、めいはある決心をする―。