カンフーマスターのサモ・ハンが修業時代の自伝的エピソードを紡ぎ上げた「稽古」。『女人、四十。』のアン・ホイが教師と教え子たちの絆を人情味豊かに描いた「校長先生」。『欲望の翼』などの編集マンとしても知られるパトリック・タムによる刹那的な青春ロマンス「別れの夜」。『マトリックス』の革新的なアクション表現に貢献したユエン・ウーピンは、「回帰」で老人と孫娘の交流を温かく紡ぎ上げた。さらに、ジョニー・トーが投資での成功を夢見る市民を風刺した「ぼろ儲け」。1990年代にジョン・ウーに続いてハリウッド進出を果たしたリンゴ・ラムの遺作「道に迷う」は、香港の街並みの変遷をひとりの中年男の心象風景に重ね合わせた感動編。“香港のスピルバーグ”ことツイ・ハークの最終話「深い会話」は、精神科医と患者の対話が予測不能にねじれていく不条理コメディである。
幼い頃に “伝説の九龍”と出会い、肉体に“ドラゴン・タトゥー”を入れた香港警察の熱血捜査官ガウ。女性警官を狙った連続殺人を捜査していた彼は、婚約者を犯人に拉致され、失意のドン底に...。その後マカオで同じ手口の事件が発生。犯人へ宣戦布告したガウは、巨大な陰謀に立ち向かう!!
黒社会で密輸業をしているカイは、警察官である弟のチャオに長年、船乗りであると偽ってきた。カイの素顔を知らないチャオは父親の介護をしながら、兄への厚い信頼を寄せていた。ある日、カイと義兄弟のマークは、岡本率いる東京のヤクザ組織に麻薬の密輸をもちかけられるが、殺しと麻薬に手を出さないという信念を持つカイは彼らの誘いを断る。その結果、カイは組織内で対立するピージャの仕組んだ罠にはまり、チャオに逮捕されてしまうのだった。さらには父親も殺害され、カイは自分の正体を知ったチャオから絶縁される。それから数年後、出所したカイは堅気の道を歩もうとするが、弟が刑事であるカイを組織は放っておくはずもなく・・・。
麻薬を精製し売買する闇組織に入り込み、一員として捜査を続ける潜入捜査官ウー。ある夜、大物取引の現場に突如侵入してきた謎の二人組に邪魔をされ、買い手との抗争が勃発。組織のボスであるボブが撃たれてしまう。有能かつ娘の恋人でもあるウーを信頼していたボブはウーを跡継ぎに指名し絶命。ウーは組織のトップの座につくことになる。直後、ウーは買い手だった組織が所有する巨大輸送船に拉致され、組織を率いるハと対面。仲間にも冷徹非道なハはウーの組織が精製する麻薬の純度を称賛、ウーにコックを引き渡すよう脅迫するのだった。その後解放されたウーと仲間のタイガーの前に抗争のきっかけとなった二人組が現れる。実は元特殊部隊所属だったハと同僚だったという彼らは、ハが潜入捜査時に寝返り仲間を惨殺し今の麻薬王にのしあがったこと、復讐すべくハの組織に精通しているためウーの捜査の戦力になれることを伝える。ウーは自分の正体も把握しているその二人、マグナムとエバと手を組み組織の一網打尽を目論むのだが…。
世界的なテロ撲滅組織「ファントム」のスーパー工作員ブルース(ミラ・ジョヴォヴィッチ)は、生物兵器「DM85」を盗み出したテロリストを追っていた。密売現場に飛び込んできたフォン(ダレン・ワン)の特殊な才能を買ったブルースは、ブダペストに潜伏中の黒幕“鉄拳”を捕らえる特務にスカウトする。早速ブダペストへと飛んだフォンは、発明家ディンと助手LV、そして身分を隠して現地入りした香港インターポール捜査官ミャオミャオの4人で極秘チームを発足。人類の存続をかけた作戦に挑むことになったルーキー工作員たちは、世界を巻き込むデンジャラスなミッションに身を投じていく──!!
香港の黒社会を牛耳る密輸集団のボス・駱祥安が逮捕され、銃殺刑となる。彼の最後を看取り、遺書を託された妹と弁護士。アメリカにいる弟を呼び戻し、一族勢揃いのなかで開封された遺書には「すべての財産を実の姉弟に託す」と書かれていた。一族の面々はそれに納得せず、組織内で遺産とポストを巡った権力抗争が勃発。血で血を洗う親族同士の争いは組織をも巻き込み、修羅場と化す。果たして、この抗争の行く末は・・・。
香港郊外の小さな島に辿り着いた殺し屋・ブルース。島を拠点に暗躍する巨大マフィア組織のボス・馬爺を暗殺した彼は、馬爺の頭部を鞄に詰め島を出ようとする途中でひょんなことから女性警官・ホリーと出逢う。彼女とともに訪れた食堂で強盗団と遭遇したブルースは彼らを一網打尽にする。台風に見舞われ島を出れなくなったブルースだったが、ホリーと警官たちからの熱烈な歓迎を受けそのまま警察署に留まることになる。大きな事件もないこの島の警官たちは皆ブルースを受け入れ、彼らはつかのまの楽しい時間を過ごす。ボスの死を知り、マフィア組織はブルースを追っていた。深夜の見回りで偶然に首なし死体を発見したホリーたちは手下たちに襲われるも、暗闇から突如現れたブルースらしき人影に救われる。一方、ブルースが警察と一緒に居ることを知った一味は警察署を襲撃するのだった。この一大事件に、本島から大勢の警察隊が島に上陸。ホリーたちを横目にブルースに殺人容疑をかける。マフィア組織と警察から追われる身となったブルースの、真の目的とは?三つ巴の戦いが今、始まる。
「イップ・マン 誕生」のキャスト・スタッフが贈る辛亥革命の礎を築いた中国人女性革命家の壮絶な半生を描いた歴史大作叙事詩!! 19世紀後半、清朝期。女性が纏足をされ、正規の教育も受けられない封建的なこの時代に、中国浙江省紹興で生まれた秋瑾(しゅうきん)は、幼い頃から血気盛んで纏足を拒み、乗馬や撃剣などを好んで育つ。成長してからも世間の風潮に馴染めなかった彼女は、夫と幼子二人を残し、当時女子教育が進んでいるとされた日本へ留学を決意する。留学した日本でも、男女平等を求めて女性だけの革命団体「共愛会」を創設するなど、精力的な革命活動を行っている最中、革命指導者・徐錫麟と出逢う。意気投合した二人は行動を共にし、強制送還の身となった後でも、本格的な革命活動を始めるため、同じ思想を持つ若者たちを集め、表向きは清朝に従じる軍事訓練学校を立ち上げる。時はきた。仲間たちと武装蜂起、清軍との激しい闘いを続けるが、徐錫麟とともに秋瑾は遂に捕らわれの身となってしまう。1907年。志半ば、公開処刑というかたちで彼女がその生涯を終えたのはわずか31歳の時だった・・・。
飼われるという感覚が、少女の孤独を埋めていく。高校生の愛(伊藤かな)は、東京の片隅に母親と二人きりで暮らしていた。父親は女をつくりどこかへ消え、母親はお酒に溺れ、愛を顧みる者は誰もいなかった。修学旅行先で訪れた香港でも友達のいない愛はたった一人で深夜の繁華街をさまよっていた。歩きつかれた愛はタクシーに乗り、帰ろうとするがタクシーは繁華街から離れ郊外へと車を走らせていく。そして寂れた一軒家の前に止まると愛を無理やり家に押し込み、広東語で怒鳴り散らし服を脱げと命令する。一方、失踪を知ったクラス担任の橋本(竹中直人)は単身香港にのこり愛の行方を捜すのだった・・。香港の片田舎に監禁された愛は、言葉の通じないボウ(トニー・ホー)との生活が始まった・・。