すべてを失った青年に残っていたのは“記憶”懐かしい匂いに導かれて、自分を取り戻す旅が始まる- 骨董屋を目指し、四畳半のアパートに住みながら路上で古物を売って暮らす大貫大。ある日、看護師をしながら夜学に通っている佳奈と古書店ですれ違い一目で恋に落ちる。人生に新たな意味を見出したかと思った矢先、広場で警察の取り締まりに遭い、警棒でひどく頭を殴られ意識を失う。その後、大の人生の“何か”が狂っていく―。先輩商人の国男に誘われ山奥で開催されている骨董の競り市場に参加した帰り道、いつしかこの世の境目を抜け、黄泉の国に迷い込んでしまうことに。人の膵臓を笑いながら喰らう異形の餓鬼、絶世の美貌で黄泉と常世の関所を司る如意輪(にょいりん)の女、夜に輝く月も深紅に染まり、あの世とこの世を行きつ戻りつしながら、大はやがて自身の人生を生き直し始める。
スタッフ・キャストが集まるAV撮影現場。人気のAV女優たちがそろう中、大型新人のひととせ真理子が現れる。売れっ子アイドルからAV女優に転身した真理子は、撮影現場ではわがままばかり。メイク係の恭子は、そんな現場を収めるために手を尽くすが……
春日部竜平はトラック運転手。年中トラックに乗って全国を走り回っている。あるとき公園に立ち寄ると「助けて!」と女性の叫び声が聞こえてくる。近寄ってみると草むらで髪の長い女性がホームレス男3人にレイプされそうになっていた。竜平は勇気を振り絞ってホームレスを追い払い、女性を助け起こそうとすると女はその手を振り払って「さっき見てたでしょ、なんですぐ助けなかったの」と竜平をにらみつけ、フラフラと歩きだす。その姿から察するに女もホームレス生活を送っていたようだ。竜平は再び女に声をかけた。「バイトしないか、一日5000円出す。このトラックに一緒に乗ってくれるだけでいい」こうして竜平のトラックに乗り込んだ女性・のぞみ。訳あって一年前に家を出て、今は住む家もなくホームレスをしていると言う。竜平は竜平で妻の待つ家に帰りたくない事情があった。二人は東京から沼津・浜松とトラックで移動しながら少しずつ互いの事情を知るようになる。道中デリヘル嬢や街頭詩人、ヤクザに追われる男と遭遇しながら移動を続ける二人。そして二人が出した答えは…。
専業主婦の小石蓮は夫・小石輝男の不倫を疑っている…。ある日、輝男は休日出勤すると言って外出した。蓮は不倫現場に乗り込む覚悟で輝男を尾行。だが輝男の行き先は会社でもホテルでもなく、病院だった。輝男の謎行動を疑問に思う蓮に、主治医の桐島真理子は「輝男さんは不倫ウイルスに感染している」と説明した。日本には古来から「浮気の虫」という言葉があるが、不倫や浮気は不倫ウイルスに感染したことによる病気の症状だったことが最新の研究で明らかになったのだ。不倫は人間が悪いわけではなく病気が悪い。突然そんなルールに従えと言われても納得がいかない蓮は、輝男が本当に自分を愛しているのか疑心暗鬼に陥る。一方で、蓮への愛を証明しようと右往左往する輝男は、不倫ウイルスを次々と他人へ感染させてしまう…。
ロックデュオ「チカチーロンズ」のボーカル・信太はある日の対バンライブでギターの直也にドタキャンを食らわされる。路頭に迷う信太に救いの手を差し伸べたのはシンガーソングライターの月見ゆべしだった。売れない、金ない、時間ない、三十路同士の二人は共鳴し、やがて信太はゆべしのマネージャー・・・そして恋人となる。しかしメジャーに進出させたい信太と自分のスタイルを頑なに曲げないゆべしの溝は日に日に深まっていくばかりで…。
一年前に夫を亡くした淳子は夫の残したタイ料理屋を一人で切り盛りしていた。ある日淳子は店に置くハンドメイドのテーブルを通信販売で購入する。 送られてきたテーブルは素朴で素敵な作りをしていたが、オマケで送られてきた人形の首が取れていた。気遣いのつもりで淳子がメールすると家具職人の裕司から送りなおすと返事がくる。そもそも不必要なものが壊れて送られてきたことに納得のいかない淳子は「親切の押し売りはやめて、あなたは宮沢賢治の『ツェねずみ』のねずみにそっくりです」と再度返信。そこから二人の会話が始まった…。夫との死別から立ち直ろうとする淳子と生真面目すぎるバツイチ男・裕司の心の交流が観る者の心を温かくする。人生の半ばを過ぎた大人たちに訪れた優しいラブストーリー。
結婚を機に映画監督の夢を諦め、現在は北関東に住む主人公・ 大貫立夫 (森岡龍)と、別れた学生時代の恋人・満里奈(川上奈々美)との、約10年ぶりの再会をきっかけに、それぞれの青春に決着をつけるかのように深く求め合う、大人の男女のラブストーリー。
鈴木リョウコ、29歳。有名大学から東大大学院修士課程を経て、新聞社の政治部で記者を務めた、いわゆるエリート。そんな彼女には、大学在学中にAVに出演したという過去があった――。高い知能と美貌を持って生まれ、一流新聞社に勤める私は間違いなく幸せ。でもそれだけじゃ退屈で、心はいつも満たされない。女の身体は何度でも売れると呟きながら、心の拠り所を求めて、どこか手探りする自分がいる。昼と夜の世界で矛盾しまくりながら、それでも幸せになりたいと願う、一人の女の物語。
アダルトビデオ撮影現場でトラブルからたった1人で5人ものAV女優をメイクすることになった都築恭子(森田亜紀)は、女優たちや段取りの悪いスタッフに次々と振り回されていく。タトゥーで役柄を変更されるシュガー(住吉真理子)や、売れないと愚痴る早紀。主演のまさみ(伊東紅)は大遅刻して来たのにワガママ放題。Masako(栗林里莉)は自分の過去を語り出す。しまいには、今日がデビューの松子(川上奈々美)が泣き出して、ただでさえ押していた撮影は中断。果たして無事に撮り終えることができるのか!?