警察内の汚職事件で逮捕・収監された元刑事のハ・スヨン(チョン・ドヨン)が、2年間の服役を終えて出所した。他の事件関係者をかばい、ひとりで罪を被ったスヨンは、その代価として7億ウォンの補償金とソウルのタワーマンションの一室を得られることになっていたが、非情な裏切りによって約束を反故にされてしまう。一丁のリボルバーと警棒を手に入れ、独自の調査を開始したスヨンは、悪辣な投資会社イースタン・プロミスの若き理事アンディ(チ・チャンウク)こそが裏切り者だと特定する。ところがスヨンの行く手には怪しげな人物が次々と現れ、彼女を危険視したイースタン社の幹部は密かに抹殺をもくろむ。それでも不屈の意志で裏切り者に約束を果たさせようとするスヨンは、人生を取り戻すための決死の闘いに身を投じていくのだった……。
失業中の夫・ミンギの代わりに家計を支えるためにせわしなく働いているキャリアウーマンの妻・ボラ。だがボラは同じ職場で働く大学時代の恋人イルボムと再会して以来、不倫関係を続けていた。純粋に身体だけの付き合いのはずが、イルボムは次第にボラと彼女の子供と一緒に暮らすことを夢見がちになっていった。そしてある時、合鍵がきっかけで彼ら三人の運命が狂い始めていく…。
十八世紀の朝鮮時代。貴族の婦人が君子と企んで貞淑な未亡人を欲望の罠に落とすという恋愛ゲームを繰り広げる。儒教秩序の厳しい時代、こんな挑発的な出来事が起こったら?恋愛ゲームを生きがいにしているチョ婦人(イ・ミスク)は、プレイボーイの従兄弟チョ・ウォン(ペ・ヨンジュン)に、夫の16歳の愛妾のソオクを妊娠させてほしいと頼む。だが、彼は9年間貞節を守ってきた未亡人のスク婦人(チョン・ドヨン)に目を付け、ゲームの標的として彼女を落とす賭けに出る。ウォンの熱心な求愛を受け、スク婦人はウォンの手に落ちるが、ウォンは彼女に別れを告げてしまう。スク婦人がショックで憔悴していることを知ったウォンは、スク婦人のことを愛していると、この時初めて気づくのだったが・・・。
困窮した家族の危機を救うため、ある荷物をフランスへ運んだジョンヨン(チョン・ドヨン)。「金の原石」だと信じていたその荷物の正体は、なんと麻薬だった。言葉が一切通じない異国の地での逮捕劇。弁解の余地も与えられないまま、祖国から12,400kmも離れたカリブ海に浮かぶ島、マルティニークの刑務所に送り込まれてしまう。この世の果てのような地で想像を絶する過酷な環境に閉じ込められ、いつ終わるのかも分からない拘束は続いた。彼女は家族のもとに帰りたい一心で地獄の日々を抜け出そうとするのだが…。
シネは事故で亡くなった夫の故郷で再出発するため、息子とソウルからミリャン(密陽)に引っ越して来る。車が途中で故障し、レッカー車を呼ぶと、自動車修理工場を営むジョンチャンが現れた。彼の好意でシネはピアノ教室を開き、順調に新生活を送っていたが、ある日息子が誘拐され…。
イ・チャンドン監督作品の本質と真実に迫る、タイムトラベルのような本作は、『ペパーミント・キャンディー』にインスパイアされ、現在から過去へ、作家として過ごした日々、そして幼少期と、イ・チャンドンの芸術的原点へと遡っていく。また、彼の作品に出演した俳優や、共同脚本家のオ・ジョンミとの制作についても描かれる。さらに、各作品のロケ地の現在の姿も映し出される。
娘とハワイへ向かう飛行機恐怖症のジェヒョク(イ・ビョンホン)は、空港で執拗に2人につきまとう謎の若い男(イム・シワン)が、同じ便に搭乗したことを知り不安がよぎる。KI501便はハワイに向け飛び立つが、離陸後間もなくして1人の乗客男性が死亡。直後に、次々と乗客が原因不明で死亡し、機内は恐怖とパニックの渦に包まれていく。一方、地上では妻とのハワイ旅行をキャンセルした刑事のク・イノ(ソン・ガンホ)が…。
失踪した恋人が残した多額の借金を抱えて金融業者からの取り立てに追われるテヨン、暗い過去を精算して新たな人生を歩もうとするヨンヒ、事業に失敗してアルバイトで必死に生計を立てているジュンマン、借金のために家庭が崩壊したミラン。ある日、ジュンマンが勤め先のロッカーの中に忘れ物のバッグを発見する。その中には10億ウォンもの大金が入っていた。地獄から抜け出すために藁にもすがりたい、欲望に駆られた獣たちの運命は――。
2014年4月16日...この世を先に去った息子スホへの恋しさを抱きながら生きるジョンイルとスンナム。やがて1年にたった1日だけのスホの誕生日が近づいてくる。母スンナムは主役不在の誕生日は息子がいない現実を認めるようで怖くてたまらない。一方、ある事情により息子が亡くなった日に父親としての役目を果たせなかった父ジョンイルは、家族に対して罪悪感を抱えたまま、あの日から2年後に韓国に戻ってくる。
フィンランドのヘルシンキ、子供たちの国際学校で出会ったサンミンとギホンは、遠く離れた北のキャンプ場に2人で向かうことになる。大雪で通行止めとなり、誰もいない真っ白な森の小屋で2人は体を重ね合わせ、互いの名前も知らないまま別れる。8か月後のソウル。フィンランドでのひとときを雪原が見せた夢だと思い、日常に戻ったサンミンの前に、突然ギホンが現れ、2人はどうしようもないほど熱く惹かれ恋に落ちる。
高麗末期、3人の剣士ユベク、ウォルソ、プンチョンは圧政の世を変えるべく民と共に最強と謳われた3本の剣により反乱を起こそうとしていた。しかしユベクの裏切りによりプンチョンが命を落とし計画は失敗、ユベクと愛を誓ったウォルソは深い絶望と哀しみを胸に姿を消した―。18年後ユベクは国内で最も権力のある男になっていた。ある日、自ら開催した武術大会でウォルソにそっくりな剣さばきの少女を見つけ、右腕である若い武士ユルと共に少女を追う。少女はいったい何者なのか、ユベクが本当に望むものとは。そして、ウォルソが抱え続けていた秘密とは。3本の剣が再び揃い真実が明らかになった時、運命の切なさと真実の愛に心が震える―。