「未来のことはわかんないからさ、とりあえず良いことが起こることにしとこう。」舞台は2020年11月17日。婚約をしたものの、コロナの影響で結婚式をすることができなかった20代の亮介(前原滉)とゆかり(大友花恋)。引っ越しの整理もままならない二人だが、都会から離れた町に住む真紀子(柳ゆり菜)の自宅で友人たちがお祝いパーティーを開いてくれることになり、稲田(中島歩)や圭吾(篠田諒)、そして真紀子の知り合いのインフルエンサーちひろ(めがね)らが集まる。しかし、自分の意見に合わせるばかりで、本音を話さない夫に不安を募らせていたゆかりは、彼の隠し事を知ってしまい、祝いの席に不穏な空気が漂ってしまう。同じ空の下、様々な人物がやり切れない想いを抱えて毎日を過ごしている。急増するデリバリー案件に答えながら出演舞台が中止になる日々を送る30代の若手俳優の片岡(アベラヒデノブ)、帰省できず里帰り出産のわが子を抱くこともできない40代のタクシードライバーの淡路(高橋努)、そして、学校イベントのほとんどが中止となり、長年の恋心さえも伝えられずにいる中学3年生の光輝(山時聡真)と鈴(佐々木悠華)。
30歳の誕生日を数日後に控えた向井タケル(小野匠)のもとに、大学時代に同級生だった、御手洗甲(真田佑馬)からメッセージが届く。それをきっかけに、タケルは大学時代の”ある言葉”を思い出す。10年前の10月31日。向井タケル、長嶺蓮香(財田ありさ)、御手洗甲の20歳の誕生日。「俺達3人が生まれた日はガリレオ・ガリレイが嘘つきじゃなくなった日だ!彼の死後、350年後の1992年10月31日に、地球が太陽の周りを回ってる真実をローマ教皇が認めたんだ。いいか、これは凄いことなんだよ!30歳になる時も集まろうな…」熱弁をふるう御手洗を見て笑うタケルと蓮香。それから10年。タケルに御手洗の妹・薫から電話が入る。「兄が失踪したんですが、居場所に心当たりはありませんか?」御手洗の失踪を合図に、それぞれの人生の歯車が動き出す。