クールでインテリの内海と元サッカー部でお調子者の瀬戸。高校生の二人は、内海が塾に行くまでの放課後を河原で喋りながら過ごす。真逆のような二人だが、言葉遊びで盛り上がったり、時にはちょっと深いことも語り合ったり……二人でいれば中身があるようでないような話も尽きない。そんな二人を見守っているのは同級生の美少女、樫村一期。 まったりと流れる時間の中で移り行く季節。二人の未来は、そして樫村との三角関係の行方は……?
元女優と去勢された男(カストラート)、ゲイとアル中の作家。ある夜、出会った4人の女と男は東京を脱出したやがて女は去勢された男を選んだ。しかし、不能の男は女を充たしてやることができない。それでも女は男を愛していた。その時、男は……。本作は“ジャパニーズ・ピンク”として海外の映画祭で絶賛を博したサトウトシキが一般映画の初進出した作品で、エロティシズムの海のダイヴする女と男の愛を官能的な映像美で描いている。
あてもないけど、生きていく。ふつうの人間関係を築けない大人たちがその意味を探し続ける切なく孤独な旅-。あたしはこれから普通の家庭を築き、まっとうな生活を重ねていく。結婚を控え、そう考えていた泰子(初音映莉子)の前に現れた、かつて半年間だけ一緒に暮らした父の愛人の息子、智(高良健吾)。20年前、愛人・直子(草刈民代)と智が転がり込んできたことで、泰子の家族は壊れたはずだった。根無し草のまま大人になった智は、ふたたび泰子の人生を無邪気にかき回し始める。「邪魔しないであたしの人生」、そう普通の幸せを願っているはずなのに…。泰子は智とともに自分の母親、異父妹、そして智の母・直子を訪ねて行くことで、平板だった自分の人生が立ちどころに変わって行くのに気づき始める。