チェルノブイリ原発事故の後、ハバナ大学ロシア文学教授のマリンは、治療のためにソ連から送られてきた子供たちとキューバの医療スタッフとの間の通訳を任される。抽象的な文学の世界から現実的な医療の世界に放り込まれた彼は葛藤するが、ある子供との対話を通じて子供たちとつながりを感じ、新たな使命をもって通訳に臨んでいく。おりしもベルリンの壁が崩壊し、キューバは未曾有の経済危機に直面する。だが、チェルノブイリの子供たちに深く関わるようになったマリンは自己の家族を顧みず、二人目の子を身籠もる妻イソナをひどく傷つけてしまう…実話に基づくヒューマンドラマ。
ブラジルをサッカー王国へと変貌させ、サッカーの王様と呼ばれた“ペレ”。そのプレーは戦争すら停戦させ、彼の背番号“10”はエースナンバーの象徴となった。1958年、スウェーデンW杯。わずか17歳の少年ペレは崩壊寸前の母国ブラジル代表を救い、世界の頂点へと導いた。スラムしか知らない少年がプロチームに入団してからわずか18か月後、なぜ彼は世界を変えることが出来たのか?父との約束、母の愛、そして全国民の期待を背負い、ペレが選んだ絶望を希望に変える“禁じられた切り札”とは?