古い名画座「中野光座」。オールナイト上映のある晩、フラリと立ち寄ったしがないサラリーマン・多和は、ヤクザのイサオと彼を探すチンピラたちとのいざこざに巻き込まれてしまう。彼は館主の娘・芽以と常連のヘルス嬢・恵梨香に助けを求められ彼らに立ち向かおうとするが、あっさり暴力に屈しプライドを傷つけられる。一方、館内ではイサオの妹で看護婦の幸子が、スケベな医師・酒巻にセクハラを受けていた。そんな妹を助け出すイサオ。末期の胃ガンに体を蝕まれ余命幾ばくもない彼は、妹と母親の為に無謀にも組織からブツを盗み出し、それを現金に換えようとしていたのだ。彼の姿に感動し自らの「夢」を取り戻した多和は、芽以と恵梨香、そして自身の為にチンピラたちに闘いを挑む。果たして、彼は大怪我を負って病院に運ばれるが、後悔はなかった。やがて、イサオとチンピラの兄貴分・黒沢木が決着をつける時がきた。黒沢木がイサオの恋人・ケイを殺害した犯人だと知り、最後の力を振り絞って闘うイサオ。彼は黒沢木を倒すことに成功するも、翌朝、力尽きてこの世を去ってしまう。それから数日後、映画館で恵梨香に再会した多和は、大学時代の夢であった脚本家を目指し、シナリオを書き上げる約束を彼女にするのであった。
人間のエゴと性がむき出しになり、異常ともいえる悪夢が始まるエロティックバイオレンス。匂いをかぐだけで病気や悩みがわかってしまう梨恵子。そして彼女を盗聴する男、手塚。潮風が吹くマンションで人体模型の悪夢が夜、きしみを見せだした。
かわいい娘の教育費を稼ぐため、精力的に定期便の仕事をこなすケイ(坂上香織)。この仕事の前任者が、かつての族仲間だった雄太(羽村英)であることを聞いたケイは彼のもとを訪れる。一方この二人の再会に嫉妬の炎を燃やす美咲(栗林知美)は、トラックでの勝負をケイに挑む。北アルプスを背に対決の時を迎える二人。だがこの時ケイも美咲も自分たちが北アイルランド解放同盟と長野県警、さらに茨城県警をも巻き込んだ大事件の渦中の人となることに気付いていなかった・・・。