遭いに行きましょう、日本の男に。あなたは本当の健さんを知っているだろうか―? 2014年11月10日、日本映画のひとつの時代が幕を下ろした。“最後の映画スター”高倉健、逝く――1960年代のプログラム・ピクチャー全盛期に任侠映画のブームを牽引し、映画館に詰めかけた観客を熱狂させ、主題歌を合唱させ、時には男泣きさせた。スクリーンから発せられる圧倒的な存在感にふれた観客は親しみと敬意を込めて、こう呼びかけた――「健さん!」。しかし我々は“健さん”を本当に知っているのだろうか?生前に限られたインタビューしか受けなかったこの不世出のスターの素顔は、わずかな情報の中でしか明らかにされていない。彼は何を考え、どう行動し、何を成し遂げてきたのか?『健さん』はそんな疑問への答えを提示した初のドキュメンタリー映画である!
寡黙で不器用な、懐かしい父親。とある山間にある村・花谷村。美しいその村が、ダムに沈もうとしている。避けられない運命に対し、村役場は、村のすべての家族を写真におさめることで、花谷村の美しさを永遠に残すことを考える。依頼を受けたのは、村の写真屋、高橋研一と東京で写真家を目指す息子の孝。なぜ父は決して親密ではない息子を、助手に指名したのか。一軒一軒、険しい山道を歩き、写真を撮り続ける2人。頑ななまでの父の背中に、しだいに息子は何かを感じ始める・・・。