若草ハルナ(二階堂ふみ)は、彼氏の観音崎(上杉柊平)が苛める山田(吉沢亮)を助けたことをきっかけに、夜の河原へ誘われ放置された<死体>を目にする。「これを見ると勇気が出るんだ」と言う山田に絶句するハルナ。さらに、宝物として死体の存在を共有しているという後輩でモデルのこずえ(SUMIRE)が現れ、3人は決して恋愛には発展しない特異な友情で結ばれていく。 ゲイであることを隠し街では売春をする山田、そんな山田に過激な愛情を募らせるカンナ(森川葵)、暴力の衝動を押さえられない観音崎、大量の食糧を口にしては吐くこずえ、観音崎と体の関係を重ねるハルナの友人ルミ(土居志央梨)。 閉ざされた学校の淀んだ日常の中で、それぞれが爆発寸前の何かを膨らませていた。そうした彼らの愛憎や孤独に巻き込まれ、強くあろうとするハルナもまた、何物にも執着が持てない空虚さを抱えていた。そんなある日、ハルナは新しい死体を見つけたという報せを、山田から受ける…。
平成27年5月11日午後9時過ぎ。安曇春子(28)、失踪。地方都市の寂れた国道沿い。大型モール・洋服店・レンタルビデオショップ・中古販売店・ファミレスが並ぶ典型的な郊外の町で、ある日突然28歳のOL安曇春子が姿を消した。ほどなくして彼女が消えた町には、捜索願のポスターをモチーフにしたグラフィティアートが拡散されてゆく。時を同じくして出現した、男だけを無差別に暴行する女子高生集団。安曇春子の失踪をきっかけに、交差する2つの犯罪。これは全て、アズミハルコの企みなのか?ハルコが消えた“本当”の理由とは?