次期社長ヲ誘拐シタ。身代金ハ、フローレンスの涙 同族経営の中堅化学工業会社・佐藤理化学工業の次期社長・佐藤英樹(宮川一朗太)が誘拐された。英樹の命と引き換えに犯人が要求してきたのは、幻のダイヤモンド“フローレンスの涙”。ところが、父親である現社長・佐藤善一郎(山本學)も、叔父の副社長・佐藤勇次郎(前田吟)も、犯人の要求に応じようとしなかった。英樹を見捨てるという決断に驚いたのは、誘拐犯である社長秘書の牧羽剛(藤本涼)だった。25年前、母親が“フローレンスの涙”のために会社の犠牲となって自殺に追い込まれた事件を知った剛は、復讐の機会を狙っていたのだ。剛と手を組んだ英樹の元恋人で秘書課勤務の氷坂恵(桜井ユキ)は、その暴走を止めようとする。そして、剛の脅迫を受けて病に倒れる善一郎。一方、勇次郎は、この状況を利用し、自分の息子を使って会社の乗っ取りを画策し始める。人命を捨ててまで守ろうとする“フローレンスの涙”に隠された秘密とは何なのか……?
高校時代、所属する陸上部駅伝競技の主要メンバーだった晃、タケシ、ヤス、シュンの仲良し4人組は、常にまわりから一目置かれる存在だった。しかし、卒業後は努力を怠り、パッとしない日々。気が付けば40歳が目前に迫ってきていた。役者として成功する夢を諦め帰郷した晃を迎え、行きつけの居酒屋で、かつてのように語らう4人。あらためて思い返すと、駅伝以外に何かをやり遂げた経験がない。いつしか人生全般、逃げ癖がついていた。口をついで出た言葉は、俺たち昔は輝いていたな――。意気消沈するなか、思いついたのが、元マネージャーに誘われていたロードレースへの参加だった。「いい所見せて、俺たちはまだ終わってないって証明しようや」かくしてアラフォー4人の、挑戦が始まった。