フィンランドの首都ヘルシンキで小さな美術店を営む72歳のオラヴィは、顧客リストは手書きで管理、領収書はタイプライターで発行するなど、いまだに古い商いを続けている老美術商。しかし最近はオンラインギャラリーの勢いにおされ、客足も遠のき資金繰りも悪化、店を畳む事も考え始めていた。そんなある日、美術商仲間に誘われ訪れたオークションハウスの下見会にて、彼は1枚の肖像画に目を奪われる。「男の肖像」と名付けられたその絵は署名もなく出所も不明で、仲間からも購入するにはリスクが高い絵画だと止められてしまう。だがこれまでの経験で価値ある作品と確信したオラヴィは、絵の背面に残された少ない情報を頼りに、2日後のオークションに向け調査を開始するのだが…。
戦時中にドイツ軍にいたことから秘密警察に追われる身となったエンデルは、身を隠すためにこの町へ来たのだった。校長から運動クラブを開くように言われて、途方に暮れるエンデル。体育用具も軍に寄贈されてほとんど残っていない。レニングラードでは有名なフェンシングの選手だったエンデルが一人で剣を振っていると、マルタ(リーサ・コッペル)が「教えてください」と目を輝かせる。エンデルはフェンシング・クラブを開くことにするが・・・。