友に青春時代を過ごした幼馴染だったが、“ある事件”をきっかけにバラバラの人生を歩んでいった富井と金森。現在は、地元のヤクザ・菅原組の構成員と犯罪組織のメンバーとして一触即発の関係になっていた2人の前に、互いの心の拠り所であり、“ある事件”から記憶障害になっていた幼馴染・紅花が現れる。さらに、彼女が組長の一人息子をめぐる事件に巻き込まれたことにより、3人は組織から追われる身になってしまう……。
流されっぱなしで生きてきた“鳥山ゆきな”。大学入学早々、一目惚れした圭先輩に誘われるまま、フラフラと人力飛行サークル〈Team Birdman Trial〉のパイロット班に加入する。100人近い部員たちが、琵琶湖で開催される夏の大会に向けて準備を進める中、トレーニングを積む“ゆきな”の前に、「狂犬」と呼ばれる坂場先輩が現れ、圧倒的な力を見せつけて正パイロットの座を奪ってしまう。やる気を失ったゆきなだが、渋々参加したテストフライトで、圭先輩が大怪我を負う事故が起きる。機体は損傷、パイロットを失い、ショックを受ける<TBT>メンバー。そんな中、ゆきなは坂場が抱えた心の傷とサークルの悲願を知る。自分がどうしたらいいかを悩む中、「誰かが漕がなきゃ飛ばない」という親友の和美の言葉に背中を押され、仲間達の想いを繋ぐため、坂場先輩と二人で飛ぶことを決意する。ゆきなと坂場は、全ての想いを乗せて琵琶湖の空にキセキを描けるのか―。
帝國金融のある街の市長・古井藤四郎(山西惇)は選挙戦の真っ只中。古井はライバルとの競り合いをなんとか勝ち切るべく、5000万円の融資を依頼してくる。当選すれば利権を使って簡単に返済できると言う古井だったが、当選が難しいと判断した桑田たちは、古井に便宜を図ってもらい昇進した市役所職員の猫田(坂口涼太郎)と甲守(中村元気)に目をつける。古井をそそのかし、二人に手形の裏書をさせ、不渡りになった際の返済義務を負わせることに成功する灰原と桑田。結局落選した古井は返済ができず、二人は猫田と甲守の元へと向かう。しかし、取り立ての最中に桑田が会社に呼び戻され、灰原は初めて1人で債務者と対決することとなり―。
不動産会社を経営する林田功作(波岡一喜)は、ある日帝國金融に2000万円の融資を依頼しに来る。林田は以前住んでいた土地を所有しており、林田の書類や人柄が信頼できそうであることから、灰原は融資しても大丈夫そうだと判断する。しかし実は、林田は土地の所有者になりすました地面師だった。自らの誤った判断で失態を悔い、灰原は、夜逃げした林田を必死で探すことになる。一方、公務員の清水好美(仁科貴)はスナックのママ・川田京子(柳ゆり菜)の誘いに乗って一夜を共にすると、店の改修費用500万を借りる必要があるから保証人になって欲しいと言われ、ママと共に帝國金融にやってくるが―。
帝國金融に面接に来たつもりが、いきなり追い込みの現場に連れて行かれた灰原は、その厳しさに面食らいながらも、金融屋として懸命に働き始める。最初に任されたのは、建設会社を経営する高橋健一(河屋秀俊)からの300万の融資の依頼。娘の正子(早織)は区役所に勤務する公務員で、公務員なら退職金などで金を回収しやすいと判断した金畑は融資を決定。灰原と桑田は早速高橋の元へ向かい、言葉巧みに娘を連帯保証人にする。しかし、程なくして返済が滞ると、灰原たちは娘をターゲットに定める。正子を尾行し、高橋親子の隠れ先を特定した灰原と桑田。ついに灰原初の追い込みが始まる―。
ギャンブルの強さだけで学内のヒエラルキーが決まる私立百花王学園。蛇喰夢子(浜辺美波)の脅威に、生徒会が危機感を募らせる中、上納金を支払うことができない「家畜」の数が激増。そんな中、2年前のある事件を機に、停学処分を受けていた視鬼神真玄(藤井流星)が舞い戻る。彼の策略にハメられた夢子は打ち負かされ、ギャンブルを封じ込められてしまう。傍若無人な視鬼神は、ついに桃喰綺羅莉(池田エライザ)を生徒会長の座から引きずり下ろす。そして迎えた、会長交代式。夢子は視鬼神に“公式戦”を申し込むのだった。
創立122年を迎える私立百花王学園。この伝統ある名門校で生徒の階級を決めるのは“ギャンブルの強さ”。勝者には地位と名誉が与えられ、敗者は財産も尊厳も奪われる。この学園に、1人の少女が転校してくる。彼女の名は蛇喰夢子。一見するとお淑やかなこの美少女は、いかなるリスクもいとわない常軌を逸したギャンブル狂だった。学園を支配する生徒会は、夢子を危険な存在と判断し、百戦練磨の刺客を送り込むも次々と撃破。学園は夢子を中心に大きく動き出そうとしていた。生徒会はついに、全校生徒を巻き込んだ百花王学園史上最大のギャンブルバトルの開催を宣言する――。
アーミーナイフをいつも持ち歩き、果物をむくのが上手かった男の子、栄大輔(さかえ だいすけ)。栄は、どこかの農家の一人娘と結婚するという。結婚の知らせをきっかけに、幼馴染であった中村由美(なかむら ゆみ)の心には、果物を介した中高生時代の思い出が次から次へと瑞々しく蘇り、同時に栄に伝えられなかった想いが後悔とともに溢れ出してくる。10年のときを経て過去の想いと対峙する決心を固めた由美は、栄に対してある行動をとる…。