サカイヒデキは東京の大手食品商社に勤めるサラリーマン。さまざまな食のブランドの M&A を進めることが主な仕事で、プライベートでは上司である副社長のケイコと婚約している。会社が米国モンタナ州に所有する経営不振の牧場を収益化するため、希少価値の高い和牛に切り替えることを提案。和牛畜産業の専門家であるワダを連れてモンタナに向かう。空と大地がどこまでも続くモンタナでは東京の常識は通じず、ヒデキはすぐにトラブルに見舞われる。ワダが怪我で入院し、一人になったヒデキは場違いなスーツ姿で牧場主のペグに和牛の事業計画をプレゼンするが、邪険に扱われるばかり。そんな中、ヒデキはハビエルが副業として牧場の片隅で密かにキヌアを栽培していることを知る。おおらかで地に足のついた生活を楽しむハビエルと交流するうち、土地の魅力に気づき始めたヒデキは、スーツからカウボーイの格好に着替え、牧場の仕事を積極的に手伝うように。大規模な牛追いにも参加し、牧場の労働者たちと打ち解けていく中で、自身の効率一辺倒の働き方を見つめ直していく。やがてヒデキは、牧場再建の新たなプランを考えはじめるのが……。
サンフランシスコの小さな南町では保安官ポールが霧の中家に車を走らせている。その時彼は事故で一人の日本人男性の歩行者にぶつかってしまう。同時に日本人のミステリー小説家、アカホリ アヤ(藤谷文子)は彼女の新作、お金儲けのために書いた世界的に有名な「たかべ検査官」シリーズのプレスツアーから逃れるためにサンフランシスコに旅行に来ていた。孤独で精神的に弱っていた彼女はミステリアスなリノから日本人旅行者(北村一輝)と情事を始める。彼女の新しい彼氏はカリスマ性があり、魅力的で、、、しかし不意にスーツケースと謎を残しホテルから消えてしまう。