歳の離れた恋人に身体を噛んでもらうことでしか満たされない陸上部のエースみちる(飛田桃子)。生真面目で部員達に疎まれる部長の新田(山田由梨)。二人は互いの空虚を埋め合うように、だんだんと近づいていく――。
大阪。大学卒業を控えたある年の夏。写真家を目指す芸大生の草馬ナオ(田中真琴)は、写真中心の生活を送っていた。同じ写真学科の小夜(重松りさ)、山田(松田崚汰)、多田(秋田卓郎)は、写真に夢中になるあまり、人としてはどこか不器用なナオに振り回されつつ、その才能を認め彼女を応援していた。人生の岐路を前に、写真の本質に近づこうとするナオの情熱は、否応なしに3人の心をざわざわと揺らし、嫉妬や焦燥を生み、それぞれに“選択”を迫っていく。卒業後、写真家となったナオは、小夜、多田と久々の再会。そこで山田が失踪していることを知る。