美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡里帆)。デザイン業界に戻るか、このままアイス屋を続けるか、どちらが幸せで正解だろう?思い悩む彼女はある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、その日以降佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて――。片や、アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本まりか)は、突然の来訪者に戸惑っていた。疎遠になっていた姉の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父を捜すため、高校の夏休みを利用して突撃してきたのだ。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった……。「好き」と気軽に口にできないほど微かで淡く、でも抗えない衝動。4人それぞれの色を纏った想いは、切なくも確かに疾走していく。
実家の神社で巫女のバイトをしながら、就活をしているしわすは、ひょんなことから5歳のケンタの面倒を見ることになった。ケンタの世話をするうちに、ケンタの問題/しわすの過去/神社の事。自分を見つめ直すしわすの姿を、神社の規律を通して描いていく。
伝統的な焼き物の街。そこに14歳の結衣(中島セナ)は、父 信夫(大迫一平)と祖母と三人で暮らしている。美しいと感じたものを、自分の色使いで絵に描くことが唯一の楽しみで、時間があればスケッチブックに絵を描いている。放課後には美術教室に通うが、自分の個性を出すのではなく基礎の知識や技法を重視する指導には馴染めずにいる。
ラジオ番組にエッセイを投稿するタクシー運転手、守島輝。一年前に亡くなった妻の生き写しと出会うことをきっかけに、彼は再び愛を欲し、夢を乱したー