2018年、オランダから伝えられたあるニュースが、世界に衝撃を与えた。44年ぶりにレンブラントが描いた肖像画が発見されたのだ。競売で落札した絵が実はレンブラントの作品だったと発表したのは、野心に燃える若き画商オーナーのヤン・シックス(11世)。それは果たして本物のレンブラント作品なのか、はたまた無名の画家の作品か…?一枚の肖像画をめぐる議論は、やがて真犯人を探すミステリーのような展開に。監督は『みんなのアムステルダム国立美術館へ』(14)で美術館の舞台裏に深く切り込んだウケ・ホーヘンダイク。美術ドキュメンタリーを専門に、長期間にわたる取材によって数多くの作品を発表してきた監督は、本作を「アートスリラーとしてつくりたかった」と語る。その言葉通り、美術界を大きな混乱と興奮に陥れた大騒動とその顛末が、スリリングかつサスペンスフルに映しだされる。
トルコとの国境に近いシリア北部のクルド人街コバニは、2014年9月から過激派組織「イスラム国」(IS)の占領下となるも、クルド人民防衛隊(YPG)による激しい迎撃と連合軍の空爆支援により、2015年1月に解放された。人々はコバニに戻って来たが、数カ月にわたる戦闘で街の大半が瓦礫と化してしまった。そんな中、20歳の大学生ディロバンは、友人とラジオ局を立ち上げ、ラジオ番組「おはよう コバニ」の放送をはじめる。生き残った人々や、戦士、詩人などの声を届ける彼女の番組は、街を再建して未来を築こうとする人々に希望と連帯感をもたらす。