アクション俳優の立石(ディーン・フジオカ)は社交性がなく、日本の文化に傾倒している変わった男で、周囲からは距離をおかれていた。ある日彼は女子高生のアユミ(蒔田彩珠)と出会い、土地の利権をめぐるトラブルがもとで執拗(しつよう)な嫌がらせを受けていた彼女を偶然助ける。そのことをきっかけに、過去のトラウマから封印していた立石の中の暴力的な部分が覚醒する。
幼い頃に、善意の募金の五億円により心臓手術に成功し、命を救われた17歳の少年、高月望来。健康に成長した望来は、五億円にふさわしい自分であろうとして周囲からの期待を引き受け、マスコミに晒されるという、窮屈な青春を送っていた。
2018年、駆け出しTVディレクターの桜子(阿部純子)は、ロシア兵墓地の取材を皮切りにロシアに行くことが決定していたが、興味を持てずにいた。しかし祖母(山本陽子)から自身のルーツがロシアにあることを知り、さらにロシア兵と日本人看護師の、二人の日記を紐解いていくうちに衝撃の事実を知ることに・・・。
主人公の高宮利一は、東京での過酷な仕事を辞め、故郷の新潟で長距離深夜バスの運転士として働く中年の男。ある夜、利一がいつもの東京発─新潟行のバスを発車させようとしたその時、滑り込むように乗車してきたのが、十六年前に離婚した妻・美雪だった。突然の、思いがけない再会。
1965年、オリンピック景気に沸く東京で、街の浄化を目指す警察は、街に立つセックスワーカーたちを厳しく取り締まっていた。ただし、ブルーボーイと呼ばれる、性別適合手術[*当時の呼称は性転換手術]を受け、身体の特徴を女性的に変えた者たちの存在が警察の頭を悩ませていた。戸籍は男性のまま、女性として売春をする彼女たちは、現行の売春防止法では摘発対象にはならない。そこで目をつけたのが性別適合手術だった。警察は、生殖を不能にする手術は「優生保護法」[*現在は母体保護法に改正]に違反するとして、手術を行っていた医師の赤城を逮捕し、裁判にかける。同じ頃、東京の喫茶店で働く女性サチは、恋人からプロポーズを受け幸せを噛み締めていた。そんなある日、弁護士の狩野がサチのもとを訪れる。実はサチは、赤城のもとで性別適合手術を行った患者のひとり。赤城の弁護を引き受けた狩野は、証人としてサチに出廷してほしいと依頼する。