俺は拳銃を拾った――。大学生、西川トオル(村上虹郎)は、雨の夜の河原で、ひとりの男の死体と共に放置されていた拳銃を手にし、それを自宅アパートに持ち帰った。まもなく、その銃は彼にとって、かけがえのない宝物のような存在になった。見つめれば見つめるほどに、触れたならば触れるほどに、愛しさがこみあげてくる。誰かを脅すことも、守ることも、殺すことも、また自ら死ぬことも可能にする銃という<道具=武器>は、大学生活の心的様相もあざやかに変えていく。
岐阜の10人切りで有名になり、名古屋の待田組にいられなくなった車田清(原田龍二)は、所払いで今度は北九州へと向かう。代々地元の船や漁師たちを護ってきた名門、富岡一家の親分(石倉三郎)の下で世話になることに。一見平和な港町であったが、実は裏で南豊不動産開発社長の青木(宮川一朗太)が、地元の代議士秘書の木佐貫(東根作寿英)を利用し、富岡一家が守ってきた漁港を埋め立てて空港を建設するという計画を企てていた。それを知った清に怒りの炎が燃えるのだった…!