美大を卒業してデザイン会社に就職するもうまくいかず、いまはアイスクリーム店「SHIBUYA MILLION ICE CREAM」のバイト長として日々を送る常田菜摘(吉岡里帆)。デザイン業界に戻るか、このままアイス屋を続けるか、どちらが幸せで正解だろう?思い悩む彼女はある日、店にやってきた作家・橋本佐保(モトーラ世理奈)に運命的なものを感じ、その日以降佐保の存在が頭から離れなくなっていく。一方、バイト仲間で後輩の桑島貴子(詩羽)は、変わりゆく菜摘をどこか複雑な想いで見つめていて――。片や、アイスクリーム店のご近所さんの高嶋優(松本まりか)は、突然の来訪者に戸惑っていた。疎遠になっていた姉の娘・美和(南琴奈)が、何年も前に出ていった父を捜すため、高校の夏休みを利用して突撃してきたのだ。いきなり始まった共同生活。優の内心を占める不安は、それだけではなかった……。「好き」と気軽に口にできないほど微かで淡く、でも抗えない衝動。4人それぞれの色を纏った想いは、切なくも確かに疾走していく。
高校一年生の安田(福徳)は、ある日登山部の顧問(後藤)に呼び出される。三年の先輩たちが引退してたった一人の部活動となってしまった登山部を廃部にするため、退部届を出してくれという相談だった。顧問との山登りが学校生活で唯一の楽しみだった安田は失意の底に。その様子を、入学してから一人も友達ができずにいた生徒(後藤)が見ていた───。一方、公園では駆け出しの漫才師(後藤、福徳)が、芸への向き合い方を巡って解散の危機に瀕していた。また同じころ別の場所では、若手俳優(福徳)が、自分の名字を変えるために女性にアプローチを繰り返していた。オリジナルのカット技法を極めた美容師(福徳)、先輩に屈託なくいたずらをしかけようとする後輩(後藤)、家主に鉢合わせてしまう泥棒(後藤)、マジシャンの卵(後藤)、公演に人生をかける劇団の座長(後藤)……それぞれの場所でそれぞれ必死に生きる奴ら。ときに苦く、ときにおかしく、人生は進んでいく。山を愛する以外になにもなかった少年たちの人生は、果たしてどんな方向に転がりはじめるのか。
俺は拳銃を拾った――。大学生、西川トオル(村上虹郎)は、雨の夜の河原で、ひとりの男の死体と共に放置されていた拳銃を手にし、それを自宅アパートに持ち帰った。まもなく、その銃は彼にとって、かけがえのない宝物のような存在になった。見つめれば見つめるほどに、触れたならば触れるほどに、愛しさがこみあげてくる。誰かを脅すことも、守ることも、殺すことも、また自ら死ぬことも可能にする銃という<道具=武器>は、大学生活の心的様相もあざやかに変えていく。
お笑いコンビ「ジャルジャル」が主演するハートウォーミングなSFコメディ。事務所から地方営業の命を受けたジャルジャルの福徳と後藤だったが、たどり着いた先はひなびた温泉宿。不満たらたらの2人は、手抜きのステージでその場をやり過ごそうとするが、舞台を終えようとした瞬間、突然乱入してきた凶悪犯に銃撃されてしまう。意識が戻り、一命を取り留めたと思った2人だったが、目の前に広がっていたのは昨日と全く同じ世界で…